幹部補佐様は今日も赤い花を咲かせる【文スト】【裏切り】

story.10　恐れていた事 ページ14

〜空き教室〜


魅優『…ねぇ、私の竜夜君にベタベタしないでくれる?』

「……別に……ただ話してただけですけど……」

莉岾さんから見て…私と竜夜君がイチャついてるように見えたのか……

魅優『ﾁｯ、ウザったいわ貴女。転校生だからってイイ気にならないでくれるぅ?』

莉岾さんは、腕組みをして苛々していた。



魅優『あのねぇ、云っておくけど私…莉岾財閥のご令嬢で、“ポートマフィアが傘下”についてるのぉ。私に逆らったら……貴女なんて瞬殺よぉ?』

………え?

待って…【ポートマフィアが傘下】?

……絶対違う。それは、貴女が勝手にそう思ってるだけ。


魅優『それにぃ…私、貴女のこと気に入らないからぁ……【裏切り者】にしてあげる♪』

莉岾さんは、懐に忍ばせていたカッターを取り出す。

魅優『ｳﾌﾌ、じゃあね♪憐れな転校生さん。』

記憶に残したくない笑みを浮かべて、莉岾さんは自分の腕にカッターを思いきり振りかざした。

魅優『ｷｬｱｱｱｱｱｱｱｱ!!!』

鼓膜が破れそうな位の大声で叫ぶ。

そして、持っていたカッターを私の足元へと投げ捨てた。…あたかも私が刺したかのように見せる為に。

そして、案の定その大声を聞き付けてクラスメート達がやって来る。


ﾓﾌﾞ１「魅優!!?どうしたの、その腕!!」

魅優『ｳｳｯ、雪見永さんがね……私の竜夜君を取るな、って脅してきて…ｯ…』

違う…

ﾓﾌﾞ2「……最ｯ低。」
ﾓﾌﾞ3「なんだ、外観は可愛くて優しいかんじだったけど…内面はこんなにも屑(ｸｽﾞ)だったんだ。」

やめて…



皆は、私を罵ったり、罵倒したりした。

耳を塞いでも聞こえてくる……嫌な言葉の連続。

ﾓﾌﾞ4「今すぐ魅優に謝れよ。この【裏切り者】!!」

一人が謝れ、と云うと…他の皆も「そーだ、そーだ!!」「謝れ!!」なんて云ってくる。

(……もう…無理……。)

私は遂に発作を起こしてしまい、その場にうずくまった。


(…誰か……助けて……)

この際誰でもいい…私の事を信用してくれる人がいるなら……助けて…

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