A piece of cake!!【宇髄天元】

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『………私の負け、だよ。』


「…と、言うと？」



絶対に分かって聞いているのに、その笑顔に抗えないのは、早くその唇が欲しくてたまらないからなのか。



『宇髄が、好き。』



ははっと満足気に笑った宇髄が、優しく触れるだけのキスの雨を降らせた。


静かに寝かされたベッドで見つめ合えば、触れられたところから熱に冒される感覚に心酔した。



「惜しいなぁ。
　惚れたらすること、自分で言ったろ？」


『天元…が、好き。』



恥ずかしい無理、と顔を手で隠せば、簡単に剥ぎ取られてしまう。



「恥ずかしがってても、綺麗だよ。」



どうしてそんな、歯の浮くような台詞をさらりと吐けるのか。
恥ずかしさに身を捩(よじ)って、顔を背けると、首筋から耳元へ向かって生温い快感が押し上げた。



『…っ綺麗とか、誰にでも言ってる癖に…』


「Aが初めてに決まってんだろ。」


これ以上耳元で話さないで欲しい。
なにも、考えられなくなりそうだ。



『うそ、だ……』


「綺麗なバラは、一輪ありゃ良いだろ。」


『ふふっ、なにそれ…』


「Aしか要らないってこと。
　大切に、愛でるからさ。
　勝負(ゲーム)なんかじゃなく、俺と居てよ。」









この先もずっと、なんて約束を耳元で、

愛してる、という幸せを唇で、

ぺろりと簡単に平らげたら、

その気持ちに抗うことなんて出来なのだから。






耳を塞ぐ囁きに全身を溶かされて口にしたのは、

今まで味わったこともないほど甘い、幸せだった。







I got totally owned.










Fin.









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