12話 スーツ ページ12
ミーティングルームから智君が出てきたのを見て、慌てて駆け寄ろうとした。
でもそれより早く、マリエちゃんが私を追い抜かして智君の前に出ると、新しいタオルを渡して謝った。
渡してくれて良かった！
また直接自分で拭こうとしてたら、頭から滑り込んで止めに入ってたところだ。
｢ごめんなさい〜。やけどしませんでした？｣
智君は、お詫びに今から服をプレゼントするから買いに行こうと誘うマリエちゃんを無視して、私のところにやって来た。
｢そっちの家に俺のスーツあった？｣
｢あ、えっと、うん。黒いのがクリーニングから戻ってきてるよ｣
｢クリーニング？｣
｢この間、うちに来る時、大雨に降られちゃったから｣
｢あぁ、あれかぁ。出してくれたの？あんがと。･････んじゃ、明日はそれ着ればいっか。まだ仕事残ってっから、後で行くわ｣
ということは、その間、ずっと濡れたズボンでいるんだろうか。
可哀相でさっきから股間部分が見れないんだけど、濡れて嫌な感じがしてない？
｢あ、じゃあ私が今から、さと、大野さんの家から着替えを持ってここに戻って来ましょうか？｣
｢や、いいわ。夜にうろうろさせんのヤダし｣
優しい智君。
私達の会話を聞いていた櫻井さんが優しい微笑みで口を開いた。
｢とりあえず俺のジム用のウエアがここにあるから、貸すからそれで帰るといいよ｣
｢ありがとうございます櫻井さん｣
ほっとして思わず御礼を言ったら、Aちゃんたら奥さんみたいだねって言われて気まずくなった。
でしゃばりすぎたかな。
でも股間を濡らしたであろう智君があんまりにも不憫で焦ってたの。
視線を感じてそちらを見たら、智君が私を見ていた。
目が会うと、くすぐったそうにはにかんで笑うから、私のでしゃばり様に不快な思いはしてないんだって分かって、ほっとして私も微笑んだ。
｢あーあ、見せつけられてやってらんない！｣
マリエちゃんが文句を言って頬を膨らませた。
｢もう帰っていいですか？｣
投げやり気味に尋ねられた櫻井さんが｢どうぞ？｣って返事すると、マリエちゃんは大仰な溜息を着いて去って行った。
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ao(プロフ) - さとりさん» さとり様こんにちは！好きの溢れるとっても幸せなコメントをありがとうございました。思わずにやけちゃいました。また萌の詰まった幸せなお話を書きたいと思えました。これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2020年4月10日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様こんにちはー。私もロンバケの二人は平和で可愛いので大好きなお話です。また機会があったら是非とも書いてみたいと思っています。嬉しいコメントをありがとうございました！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。読んで下さってありがとうございます〜。最近の智君のビジュアルほんと素敵だと思いません？あのビジュアルを想像しながらお話作ってます。相変わらず手洗いソングとワンラブリボーンを鬼リピしてます。近々また更新しますからねー！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちは！私もお姉様好きです。お話を面白くしてくれるので感謝もしてます(笑)。オフィスものはスイスイ書けるので、書いててストレスフリーで実に楽しいです。また新作で作ってみたいものです。ありがとうございました！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちは。君の〜の続編近々更新しますので楽しみにしてて下さいね〜。のんびりした二人のお話は作ってて癒されます。 (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年3月31日 16時
