11話 あそこ ページ11
その後、松本さんは友達の生田さんに呼ばれて帰宅し、残業する丸山さんも仕事に戻って行った。
私は二人のお陰で落ち着きを取り戻して、大野さんも後でうちに来るしって、そろそろ帰ろうと鞄を持って立ち上がったんだけど、その時、ミーティングルームが開いて、クライアントさんのお見送りにマリエちゃんと櫻井さんが出て来た。
けれどクライアントさんが帰って行って、見送りが終わった二人は、なぜか給湯室の方へ駆け出した。
｢おまえ馬鹿!?｣
｢不可抗力ですもん｣
｢お茶こぼしたのは百歩譲ったとしても、大野さんの股間をあんな強く拭かなくてもいいだろうが！ クライアントさん引いてたぞ!?｣
｢でも早く拭かないと染みになっちゃうし｣
｢まさかわざと!?｣
｢そんなわけないじゃないですか｣
｢目が泳いでねぇ!?｣
｢それにそんなに触ってませんよ？ 形まではわからなかったし｣
｢わかったら警察沙汰だわ！｣
｢でも柔らかいのは分かりましたよ｣
｢そのタイミングで硬かったら今度は智君がお縄頂戴よ!? おまえはライオンか！肉食過ぎんだろうが！ 野生へ帰れ！ あーもういいっ！ さっさとタオル持って帰って来い！｣
怒鳴ってその場に立ち止まり、給湯室に飛び込むマリエちゃんを見送る櫻井さん。
珍しく怒っている櫻井さんが、引き返して私の前を通り過ぎようとして･･･････固まった。
恐る恐る私の方を振り返る。
｢あれ･････？ まだいたの？ まさか聞いてた･･････？｣
私は呆然としながら呟いた。
｢マリエちゃんがお茶をこぼして、それが大野さんのあそこにかかったから、慌てたマリエちゃんが強めに拭いたって、そういうことですか？｣
｢さすがだね。理解力ある！｣
褒めてくれる櫻井さんだけど、冷や汗がこめかみをつたっていた。
その後ろで、タオルを持って戻ってきたマリエちゃんが、私に向かって不敵に微笑むのを見た時、お茶をこぼしたのはわざとかもしれないって分かって、私は目を見開いた。
マリエちゃん、恐い！
クライアントさんまで巻き込んで何やってるの!?
本気で私から智君を奪うつもり!?
･･････でも、その作戦で果たして奪えるの･････？
私はいろんな意味で不安になった。
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ao(プロフ) - さとりさん» さとり様こんにちは！好きの溢れるとっても幸せなコメントをありがとうございました。思わずにやけちゃいました。また萌の詰まった幸せなお話を書きたいと思えました。これからもどうぞよろしくお願いいたします！ (2020年4月10日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ひつじーさん» ひつじー様こんにちはー。私もロンバケの二人は平和で可愛いので大好きなお話です。また機会があったら是非とも書いてみたいと思っています。嬉しいコメントをありがとうございました！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。読んで下さってありがとうございます〜。最近の智君のビジュアルほんと素敵だと思いません？あのビジュアルを想像しながらお話作ってます。相変わらず手洗いソングとワンラブリボーンを鬼リピしてます。近々また更新しますからねー！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちは！私もお姉様好きです。お話を面白くしてくれるので感謝もしてます(笑)。オフィスものはスイスイ書けるので、書いててストレスフリーで実に楽しいです。また新作で作ってみたいものです。ありがとうございました！ (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちは。君の〜の続編近々更新しますので楽しみにしてて下さいね〜。のんびりした二人のお話は作ってて癒されます。 (2020年4月10日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年3月31日 16時
