2話 ページ41
｢酷い･･････｣
｢うん、その子を見捨てたのは本当に申し訳なかったと思うよ｣
｢違う。疑われた翔さんが可哀相だって言ったんだよ｣
目を瞬かせた翔さんは、一瞬後、照れて笑った。
｢･･･････まぁ、後日そいつと図書館で会ったんだけど、そしたらちゃんと勉強してたのよ。やれるんじゃんって言ったら、いろいろあって、親に反抗してたんだって教えてくれて。そこから受験までの三ヶ月、俺も図書館に通って二人で頑張ったんだよね。大変だったけどいい思い出になったよ｣
｢勉強を教えるために通ったんですか？ ･････家庭教師代は？｣
翔さんは首をすくめた。
｢そもそも、教えてもないのに給料もらってたからね。その分だと思ってやってた｣
私は翔さんの優しさを感じて胸が暖かくなった。
やっぱり翔さんは優しい･･････。
｢その男の子は受験に合格したんですか？｣
｢そう。今俺の大学の後輩。俺と同じゼミに入って来てるよ｣
私は嬉しくなった。
｢翔さん慕われちゃってるんだ？｣
｢アニキって呼ぶのやめろって言ってるんだけどね｣
｢さすが翔さん！ アニキってぴったり！｣
｢やめてよAちゃんまで｣
二人で笑いあった。
翔さんは言った。
｢手伝ってあげたいけど午後からまた出掛けなきゃならなくてね｣
｢大丈夫ですよ？ いってらっしゃい｣
｢あ、ちょっと待って｣
翔さんは芝生に膝を着くと、私の顔に手を伸ばしてきた。
思わず首をすくめてしまった。
すると翔さんは、私の唇に髪がついてるって教えてくれた。
｢今手が塞がっててとれないでしょ？｣
両手は泡だらけだ。
･････びっくりしてしまったことが恥ずかしい。
私、意識のし過ぎかも。
｢ごめんなさい｣
翔さんは微笑んだ。
｢意識されないより全然いいよ。男って思って貰ってるってことだよね？｣
｢翔さんが女性なわけないじゃないですか｣
｢まぁね｣
･･････言い方がカッコイイ。
翔さんは誰よりも男性的だと思う。
翔さんは指先で私の唇についていた髪をとってくれた。
･･････多分今、私顔が赤いと思う･･････。
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ao(プロフ) - junさん» jun様こんにちはー。あははは、私も書き終わりたくないですー！(笑)。一生あそこに住んでいたい。 (2020年2月25日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちはー。私もパワーがあれば過去作品の番外編とか書いてみたいんですけどなかなか時間がなくて。想像したりはしてますよー。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。確実にえむ様には萌えていただけるだろうと思ってました！萌どころが一緒なので。喜んでもらえてよかったです！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様こんにちは。ほんとに悩ましい限りです。みんなとつきあわせてあげたいです。次回もお楽しみに。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 大野家出て行きたくなーい！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年2月15日 9時
