56 洗濯日和 2/24 ページ40
よく晴れた日の9月の土曜日。
私は午前のパン屋さんでのお手伝いが終わると、大野家に戻り、腕まくりをして庭に出た。
今日は、みんなの靴を洗ってあげようと思って。
残すところ私の居候もあと二週間。
･･････お世話になったから、やれることはやっておきたいと考えて。
昨夜翔さんに出して貰った子供用のプールを手動ポンプで膨らませると、そこに水を入れて、みんなに尋ねて、洗う許可を貰った靴を並べ、洗い始めた。
全部で10足。
よしやるぞ！
まだまだ暑い夏の日差し。でも蒸せるような暑さではなく、気持ちのいいそよ風が吹いていて、爽やかだった。
洗っていたら玄関の方で音がして、誰かなって首を伸ばした。
どうやら出掛けていた翔さんが帰ってきたようだった。
翔さんは私を見つけると、家に入らずに庭の方へ回ってきた。
｢おかえりなさい｣
｢ただいま。頑張ってるね、今何足目？｣
｢二足目です。まだまだこれからですよ｣
｢はりきってるねぇ｣
言って、ズボンのポケットに手を入れて微笑ましい顔つきで私を見下ろす翔さんは、何だかお父さんみたいだった。
｢翔さんは、お昼ご飯は食べました？｣
｢ん？ 大丈夫だよ。家庭教師先で貰ってきた｣
私は手を動かしながら翔さんに尋ねた。
｢翔さんって何歳の子の勉強を見てるんですか？｣
｢･･･････14歳の中三男子、16歳の高一男子、17歳の高三女子、今は以上の三人かな｣
三人も！しかも受験生を抱えてる！
私は思わず尊敬の目で見上げてしまった。
｢大変でしょう？｣
｢やり甲斐があるからね、楽しいよ。でも一昨年が大変だったの。だから今年は余計に楽でさー｣
｢どう大変だったんですか？ ･･････教えても点数に繋がらないから？｣
｢それもある｣
｢･･････恋愛トラブルとか？｣
翔さんは苦々しく頷いた。
｢･････それもあったね。あと、サボりまくる奴もいて｣
私は翔さんの苦労を思って眉を寄せた。
でも、そのあとで聞いた内容は、眉を寄せるどころではなくなった。
｢さぼるのはいいのよ、別に。さぼってもバイト代は7割出る契約だからね？ でも、毎回家でその母親と、生徒が帰ってくるのを待つわけ。授業時間いっぱいまでね。それが何回も続いていたら、そこのご主人がだんだん俺と奥さんの仲を疑い出してきて。結局辞退させて貰ったの｣
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ao(プロフ) - junさん» jun様こんにちはー。あははは、私も書き終わりたくないですー！(笑)。一生あそこに住んでいたい。 (2020年2月25日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちはー。私もパワーがあれば過去作品の番外編とか書いてみたいんですけどなかなか時間がなくて。想像したりはしてますよー。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。確実にえむ様には萌えていただけるだろうと思ってました！萌どころが一緒なので。喜んでもらえてよかったです！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様こんにちは。ほんとに悩ましい限りです。みんなとつきあわせてあげたいです。次回もお楽しみに。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 大野家出て行きたくなーい！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年2月15日 9時
