3話 ページ34
みんなが静かになったから、私は話は終わったのだと胸を撫で下ろして吐息した。
でも和也君が、ふと顔を上げて言った。
｢･････長男がこれでしょ？ じゃあうちの最年長は何やったわけ？｣
もう話が終わったつもりだった私は、それを聞いて、安堵して椅子にもたれていた背を思わず浮かした。
｢智さん･････？｣
私は考えたんだけど、これと言って思い浮かばなかった。
プールで助けて貰ったり、自転車の後ろに乗せてもらったりしたけど、あれはどれも甘い雰囲気になかった。
そう考えると、智さんとはそういう触れ合いはなかったなって改めて気づいた。
だけど、ドキドキした瞬間はいくつもあった。
･････不思議な人だなぁ。
でもやっぱりみんなのような触れ合いはなかったから、私が何もないよ？って言ったら、みんな顔を寄せ合って何かをコソコソ話し始めた。
何だろうと思っていたら、咳ばらいした翔さんが、みんなを代表して、私に諭すようにして言ってきた。
｢智君には伝家の宝刀があってね？ それはギャップっていうんだけど、気付いてたかな？ 何にもしませんよー、赤ちゃんみたいに人畜無害ですよーって見せかけといて、実は男らしかったり色気があったりするの。 それは滅多に見せないんだけど。だから何にもして来ないからってうっかり近づかないようにね？ 気付いたら服が脱がされてたりしちゃうから｣
私はまさかぁと思って笑いかけたんだけど、みんなが真剣だからだんだん笑顔が固まった。
･･････笑い事じゃなさそう？
確かにプールで見た腹筋はギャップが凄かった。
でも気付いたら服を脱がされるなんてことは･････ないよね。マジシャンじゃないんだし。
その時、部屋から智さんが出て来た。
なんてタイムリー。
でも話は聞こえてなかったみたいで、みんなが警戒心満載で自分を見てくる理由が分からずに首を傾げていた。
私は吹き出しそうになった。きょとんとして、子供みたいなんだもの。
智さんは不思議そうに首を傾げたけど、すぐに気を取り直した顔で、私に向かって手招きしてきた。
｢智さん、私に用事？｣
｢ちょっと部屋来てくれる？｣
ガタガタっとみんなが慌てふためいた。
目を見開いている。
私も焦った。
だって、さっきまでの会話が会話だったから。
マジシャンのように服を脱がせる智さんを思わず想像してしまう。
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ao(プロフ) - junさん» jun様こんにちはー。あははは、私も書き終わりたくないですー！(笑)。一生あそこに住んでいたい。 (2020年2月25日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちはー。私もパワーがあれば過去作品の番外編とか書いてみたいんですけどなかなか時間がなくて。想像したりはしてますよー。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。確実にえむ様には萌えていただけるだろうと思ってました！萌どころが一緒なので。喜んでもらえてよかったです！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様こんにちは。ほんとに悩ましい限りです。みんなとつきあわせてあげたいです。次回もお楽しみに。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 大野家出て行きたくなーい！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年2月15日 9時
