2話 ページ28
和也君は得意げに言った。
｢あってもいいのよ。むしろあるべきだったから。雅にぃがいつまでも遠慮して告白しないから、するように仕向けたんだしね？｣
翔さんが目を見開いた。
｢おまえそんなことしたの!?｣
和也君はしれっと答えた。
｢だってそうでもしなきゃ、家の中で何のアピールも出来ないんだもん。雅にぃが抜け駆けしないように変なルール作って制してくるし｣
潤君が言った。
｢雅にぃが告白したからって、ルールはルールでしょ？｣
｢ばかだね、この純粋な人が一回告白なんかしちゃったらもう、自分自身が抜け駆けはだめだなんてこと言ってられなくなるよ？ 言いたくてやりたくて我慢できなくなるに違いないんだから。私はそこを狙ったわけ｣
ご機嫌な和也君の言葉を聞いて、雅紀君は怒ってスプーンを置いた。
｢はぁ？ おい！ そんな魂胆だったのかよ！ 昼間の俺の感動を返せよ！兄思いな可愛い弟だって思ってたのに！｣
｢わざわざ敵に塩を送る人間がいる？ あのさ、考えても見てよ。この人がこの家にいるのもあとちょっとなわけよ。ここを出たらアピールしようにも確実にそのチャンスは減るわけで、だったらこの家にいる間にある程度のことはしておきたくなるじゃない？｣
この人、と顎で指された私は、身の置き所をなくした。
･･････これ、なんの拷問だろう。恥ずかし過ぎる。
ある程度のことって、いったい何するつもり？
和也君は畳みかけるように言った。
｢今、もしも俺らに迫られてここを出て行きたくなったとしても、どうせマンションはもうすぐ再建されるんだから、仕方ないからそれまではここにいて耐えようってなるじゃん｣
雅紀君と潤君は感心した顔をして、そんなの思いつかねぇわってそれぞれ呟いていた。苦笑いしてる翔さんは、もしかして気づいていたの？
そこまで、ずーっと黙っていた智さん。ご飯を食べ終わってスプーンを置くと、子供達に向かっておもむろに言った。
｢あんま怖がらせんなよ？｣
けれど即座に和也君に噛み付かれてた。
｢自分はいいよな。Aさんがこの家出てっても、店があるからほぼ毎日会えるんだもん｣
ハッとした顔の雅紀君と潤君。
智さんは薮蛇だったとばかり、食べたお皿を流しに持っていくと、そそくさと自分の部屋に消えて行った。
逃げた･････。
私も逃げたいのにぃ。
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ao(プロフ) - junさん» jun様こんにちはー。あははは、私も書き終わりたくないですー！(笑)。一生あそこに住んでいたい。 (2020年2月25日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちはー。私もパワーがあれば過去作品の番外編とか書いてみたいんですけどなかなか時間がなくて。想像したりはしてますよー。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。確実にえむ様には萌えていただけるだろうと思ってました！萌どころが一緒なので。喜んでもらえてよかったです！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様こんにちは。ほんとに悩ましい限りです。みんなとつきあわせてあげたいです。次回もお楽しみに。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 大野家出て行きたくなーい！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年2月15日 9時
