5話 ページ19
和也君がカメラを片付けてる間、雅紀君と隣のベンチに座ってそれを見ていたんだけど、ふと気になって雅紀君に尋ねた。
｢雅紀君は和也君がカメラを好きなことは知ってたんでしょ？｣
雅紀君は微笑んだ。
｢知ってるよ。･･････好きだってどうしてわかったの？｣
｢･････楽しそうだったから？｣
｢それが分かるなんてもうカズ検定二級はいってるね！｣
｢そんな検定あったの？｣
言い方が面白くて思わず吹き出して笑ってしまった。
雅紀君は風に吹かれて乱れた前髪をかきあげながら言った。
｢･･････カズはね、映像の仕事に興味を持ってるんだよ｣
｢テレビとか、映画とか、写真とか？｣
頷かれて、私は感心した。
大野家のみんなはちゃんと将来のことを見据えて生きてる。
･･････流されて生きてきた私とは大違いだ。
｢ゲームばっかりしてるけど、バイト代でカメラ買ったり、映像機器買ったりしてるんだよ？ すごいでしょ？｣
自分のことのように嬉しそうに言う雅紀君の愛は、海より広く、深く感じた。
｢将来は有名映画監督かもね｣
｢じゃあ雅紀君は有名ヘアーメイクさんになって、一緒に仕事をするのもありだね｣
｢ほんとだね!?｣
にっこり笑った雅紀君だったけど、すぐに真面目な顔になった。
｢潤に･････料理の講師をしたらどう？って言ってくれたんだって？｣
思い出して頷いた。
確かに言った覚えがある。
潤君、雅紀君に言ったの･･････？
｢あれさ、結構潤の中で重要な言葉になったみたいで。そっちの道も考え始めたみたいだよ。親父の店継ぐのもまだ考えにあるみたいだけど｣
それを聞いて、私は複雑だった。
｢･･････潤君が将来のことを考えられるようになったのは凄く良かったけど、･･････私、智さんの跡継ぎを奪う形になっちゃったかな･･･････｣
雅紀君は笑った。
｢そんな心配してんの？ ･･････俺らさ、もしも親父が店を継いで欲しそうな雰囲気出したら、全員、今の夢捨ててでも跡継ぎになる覚悟はあるよ｣
確固たる意思の感じられる言葉に目を見開いた。
｢それくらいさ、俺ら親父に感謝してるから｣
ああ、私が考えているよりも、家族の絆はずっと強くて、信頼も深いんだ。
･･････恥ずかしいや、私。
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ao(プロフ) - junさん» jun様こんにちはー。あははは、私も書き終わりたくないですー！(笑)。一生あそこに住んでいたい。 (2020年2月25日 13時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - しまかわさん» しまかわ様こんにちはー。私もパワーがあれば過去作品の番外編とか書いてみたいんですけどなかなか時間がなくて。想像したりはしてますよー。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - えむさん» えむ様こんにちはー。確実にえむ様には萌えていただけるだろうと思ってました！萌どころが一緒なので。喜んでもらえてよかったです！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ともさん» とも様こんにちは。ほんとに悩ましい限りです。みんなとつきあわせてあげたいです。次回もお楽しみに。コメントありがとうございます！ (2020年2月25日 13時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
jun(プロフ) - 大野家出て行きたくなーい！ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 37d10c3172 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2020年2月15日 9時
