8話 ページ40
その時ふいに、突然、岳のことをなんとかしなければと思った。
連絡をとらなくなって、もう2週間が過ぎた。
このままではいけないし、いたくないと思えた。
｢どした？｣
店長に呼びかけられてハッとした。
｢･････ちょっと、今から出掛けてきてもいいですか？｣
｢なんか、あった？｣
｢付き合ってる人のところに行ってこようと思って｣
｢･･････どうすんの？｣
｢･･････実はお店の前で話がしたいって私が言った日から、ずっと連絡がとれてないんです。だから直接会いに行ってこようかなって｣
｢逃げられてんの？｣
私は恥ずかしい話に苦笑した。
｢たまたま学内で会った時、別れないからって捨て台詞みたいに言われて去られたから、もしかしたらそうなのかもしれません。･･････私から別れるって言われるのはプライドが許さないのかな。でもいつまでもこのままでいるわけにはいかないし、ちゃんと決着して･･･････サークルも辞めようって思ってます｣
そこまで言って、私は膝を揃えて智さんに向き直った。
｢シフト、もっといっぱい入れて貰うこと出来ますか？ 今すぐでなくてもいいですから｣
｢へ？ ･･････理由にするってこと？｣
｢それもあります。引っ越し費用の捻出のためもありますし。･･･････でも何より、お店で働くのが大好きだからです。あそこで働いていたら、落ち着くんです。もしも違うお店でバイトをしていたら、今も彼氏とずるずる関係を続けていたかもしれません･････。きっと、自分が嫌いなままでした｣
大野家のみんなとの出会いが私に勇気を与えてくれた。
智さんは暫く黙った後に、｢わかった｣って言ってくれた。ちょうど夏休み期間、学生バイトの入る割合を増やそうと思っていたそうで、その分を頑張らせて貰うことになった。
｢ありがとうございます！｣
良かった！
｢一個聞いていい？ ･･････そいつと別れ話をしに行くの？｣
｢･･････はい｣
自分の決断を後押しするためにそう返事した。
イエスということで、自分の腹が決まる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1005人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんこんにちはー。良かったぁー。問題なしって言って貰えて本当にほっとしたよ。女性がらみの話と暴力的な話を書くときは緊張するの。大多数の人は大丈夫でも、そのうちの何人かが読んでがっかりするのは悲しくて。でもそれを言ったら書けなくなるんだけどね。 (2020年1月15日 12時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - aoちゃーん(o^^o)次が更新される前にここ読んだけど嫌なとこはほんのちょっとだったしこれ位なら全然問題なし♪智くんに抱きしめられちゃってよかったねぇ〜って思ったり(//∇//)主人公ちゃんの周りには素敵な方がたくさんいていいね♪←例外除くw (2020年1月14日 12時) (レス) id: 348040dd96 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんおはよー。もう読んだかな、忙しいだろうからまだかな。最初に謝っておこう。岳君酷くてごめんよー。しかもはっきりしてない。あ、まだ読んでないかな。すぐまた更新するからね！ (2020年1月14日 9時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - aoちゃんこんにちは〜♪そうか、岳くんそんなにひどいのね^^;;でもそれはもうわかってるので（笑）中途半端なところで終わらないことを祈るのみ♪更新待ってまーす＾＾ (2020年1月8日 11時) (レス) id: 6904188dc6 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃんこんにちはー！私も絶対智さんでーす！次回は岳君出て来ますが･･･keiちゃん、岳君許せないって怒っちゃう展開かも。お楽しみにって言えないけど、大事な回なのでついて来て〜。お願いね！ (2020年1月8日 9時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ao
| 作成日時：2019年12月19日 22時
