3話 ページ8
とうとう言ってしまった本音。
智君が近くにいるのに情報誌をとってしまったのは、お酒と初外出のせいで気が緩み、気持ちが大きくなっていたんだと思う。普段なら、ばれるような行動は絶対にとっていなかった。
でも、今の私の発言はお酒のせいではない。お酒の勢いを借りていたとしても、これは私の本当の望み。
「智君と離れたくない・・・・・・」
呟いてその胸に顔を埋めたら、智君は私の背中に手を回してそっと抱きしめ、暫くじっと黙っていた。
心臓の痛くなるような沈黙だった。
やがて智君が顔を上げる気配を感じて、私も恐る恐る顔を上げたら、智君は微笑んでいた。
そして、目尻にいっぱい愛をためて言ってくれた。
「好きだよ」
智君・・・・・。
「Aは?」
「私も好き・・・・・大好き」
すると智君はニッコリ笑った。
「じゃあ一緒にいよ?」
凄く単純な答え。だけど凄く難しいことでもある。
それでもそばにいたいから。
「・・・・・うん」
智君は嬉しそうに笑って、私のおでこにキスをして言った。
「ベッド行こ?」
ドキッとした。
・・・・・・こういう場合、そうなるよね? 私もそうしたいのはやまやまなんだけど・・・・・私の場合、途中で猫に戻っちゃうから・・・・・最後までできなくない?
私は悲しくなった。
・・・・・やっぱりこんなので一緒にいることなんて出来るのかな・・・・・・。
私じゃあ、智君を不自由させちゃうことになる。
心配そうに見上げたら、智君は笑みを含んだ顔で、私の手を引いて歩き出した。
「まぁまぁまぁ」
「・・・ベッドに行くの?」
「まぁまぁまぁ」
「・・・・・最後までできるかなぁ」
「まぁまぁまぁ」
私は吹き出した。
「まぁまぁまぁばっかり!」
智君も笑ってるから、ドキドキしてるけど、それは凄く幸せな時間だった。
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ao(プロフ) - keiさん» kei様はじめまして。ようこそお越し下さいました。数日中に移行出来ると思うので、待っててくださいね。私も書きながら癒されてます。コメントのおかげでまた頑張れそうです。ありがとうございました。 (2019年9月7日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - aoさん、はじめまして。素敵なお話をありがとうございます。このお話のねこちゃんと大野さんに癒されて、ドキドキして、何回も読み返してます。更新を楽しみにまっています。 (2019年9月3日 17時) (レス) id: a6dd3c2537 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - mizunaさん» mizuna様こんにちはー!本当に彼は魔性ですね・・・。魅力の塊です。酔わされちゃいますね。でも翔君もほんと凄い人で。あらためて、奇跡の五人に感動中です。 (2019年9月3日 6時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
mizuna(プロフ) - こんにちは〜久しぶりの更新に読む前からドキドキしてました(笑)aoさんと同じ様に本来なら私も翔くんタイプに恋する人間なので共感から笑っちゃいました、反対に智くんがそれを凌駕する魅力的な人って事でもあるので大野智は魔性ですね(笑)次回も楽しみにしてます! (2019年9月2日 15時) (レス) id: a740177e2c (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - blue3104さん» blue3104様こんにちはー!私は皆さんのコメントに癒しをいただいています。夏の終わりは疲れが出がちですから、どうぞご自愛くださいませ。お話読んで、癒されてくださいませ。 (2019年8月30日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ao | 作成日時:2019年8月10日 9時