6話 ページ14
「・・・・・・俺じゃない男で変身すんのがやだったの?」
なんだかもう、身ぐるみを剥がされた気持ちで頷いた。
ほとんど自分から脱いじゃったんだけど。
「なんで?」
好きだから。
・・・・・・でも言えない。言ったら大野君、困るもんね?
春の眩しい朝の日差しがカーテン越しに部屋に差し込んで来る。
しんとした部屋に沈黙が降りていた。
けれど不思議と怖くなかった。
大野君は髪をかきあげると、はにかんで言った。
「・・・・・・こっちも、自分で仕掛けたくせに、途中でAがまつじゅんで変身すんのが怖くなって」
え・・・・・・。
私は衝撃の言葉に目を開いて質問した。
「自分で仕掛けたっていうのは、夕べ松本君をここに連れて帰って来たこと?・・・・・・やっぱり何か考えがあって連れて帰って来てたんだね」
「考えなんてカッコイイもんじゃねぇけど。まつじゅんにAの存在がばれて、会わせて欲しいって言われた時、まつじゅんで試してみたらどうかなって思いついて。ちょうどいいし」
「何がちょうどいいの?」
「え? 一番フェロモンが強いじゃん。変身すんなら速攻かなって」
それを聞いて私は妙に納得してしまった。
確かに松本君は即効力がありそうだ。
大野君は溜息を着くと、打ち明け話をしてくれた。
驚かずにはいられない話を。
「・・・・・・夕べ、二人が寝た頃に一回ここ戻って来てて」
驚くしかない告白に、私は唾を飲み込んだ。
「うそっ。戻ってきてたの!? ・・・・・・どうして?」
大野君は自嘲気味に苦笑した。
「心配だったからだよ。Aがまつじゅんの前で裸になんのも、まつじゅんがきっかけで変身すんのも。・・・・・Aとおんなじことを心配してて」
大野君・・・・・・。
私はもうそれだけで胸がいっぱいになった。
それなのに大野君は続けて告白してくれる。
「夜中忍び込んで、アトリエにいるの見っけて、しかもまだ猫のままAが寝てたからほっとしてさ。・・・・・暫くアトリエのドアの外でぼーっとしてたの。でもうっかり寝そうになってぇ、慌ててまた家出て。・・・・・・そっから30分くらい、近くで時間つぶして戻ったら、今度は人間に変身してまつじゅんに抱っこされてたから・・・・・焦った」
うそ・・・・・・。
家に戻ってきていただなんて・・・・・・。
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ao(プロフ) - 萌和*さん» 萌和*様おはようございます。ニノちゃん押しだったんですね。彼は現実でも妄想でもほんといい仕事しますからねー。うんうん、わかります。楽しんでいただけるといいなぁ〜。 (2019年8月10日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様おはようございまーす!雄叫びありがとうございます。うふふ。ラブラブなのはほんと心の栄養ですよねー。活力お届けできるよう頑張りますので今後ともよろしくお願いします! (2019年8月10日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - keiさん» keiちゃん月末なんだね!? うちわ結局ウインクと投げチューとありがとの三種とりあえず作ることにしたよ。ほんと楽しいね!次は二宮君ちだよー。楽しんでね〜。 (2019年8月10日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
萌和*(プロフ) - こんばんは!わーーー二宮さん家!ついに!にやにやが止まらない二宮くん推しです← 二宮さんが出てくるとは思ってなかったのでドキドキです〜次回も楽しみにしてます♪ (2019年8月9日 18時) (レス) id: 270b2e26c0 (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - ao様 ギァー\(//∇//)\ 2人のやり取りが可愛い過ぎて、ニヤニヤですよ!それに二宮さんまで絡みだして、ワクワク、ドキドキが止まりません(≧∇≦)これからの活力になる事間違いなしでございます。ありがとうございます! (2019年8月9日 17時) (レス) id: 5bf90ac6c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ao | 作成日時:2019年7月14日 9時