3話 ページ42
びっくりして目を見開く私と同じようにおーちゃんも寝耳に水の話みたいで驚いていた。
でもすぐに情けなさそうにがっくりと肩を落としていた。
松にぃがこの状況で言ったらそれは決定と同じことみたいで、わかっているおーちゃんはもう諦めたようだった。
｢マジでぇ〜？ ･･････はぁー｣
一方の女の子は大騒ぎ。
｢きゃー！やったぁ！ みんなにも伝えてあげなきゃ！｣
みんな!?
･･････おーちゃんのファンっていったい何人いるの？
｢じゃあ気をつけて帰んなよ、お嬢さん方｣
松にぃの言葉に頷いて帰りかけた二人だったけど、ふと立ち止まると私を見て言った。
｢その女の人は誰なんですか？｣
ドキッとした。
常連さんだからスタッフじゃないのは見ればわかるんだね。
おーちゃんが私をちらりと見た。
･･････私は口だししない方がいいよね？
きっと私が嘘を言ったら、嘘だとわかった時、彼女たちは物凄く腹が立つのに違いない。
言わなくてもきっと、本当のことが分かったら不快は不快なんだろうけど。
｢こいつか？｣
松にぃはあっさり言った。
｢俺の女。愛人の一人。今夜のお楽しみの相手ね｣
驚く女の子達。でもすぐに納得した顔で感心してた。
松にぃの豪快さなら愛人の一人や二人、当たり前にいておかしくないって思ったみたい。
助かったけど、それもどうなのかな？
松にぃが私の肩を抱き寄せた。
多分、私の顔を彼女たちから隠すために。
･･････私はぎゅっと目を閉じた。
松にぃから、また大人の香りのフレグランスが漂ってきたから。抱き寄せられた盤石な胸板の厚さと腕の力強さもあいまって、変な風に酔いそうになる。
すると、すぐに後ろから衝撃があった。
同時に松にぃが吠えた。
｢いってぇなぁ！｣
私に直接衝撃があったわけじゃない。振り返ればおーちゃんが松にぃに二発目の足蹴りを入れようとしているところだった。
唇が尖ってる。
もしかして･･･････松にぃが愛人って言ったから怒ったの？
女の子達が怪訝な顔をしているのを見て、相葉君が慌てて私達の背中を押してその場から去らせてくれたから一安心。
でも駐車場に向かう道中、おーちゃんはずっと文句を言っていた。
｢必要ねぇことなんですんだよ｣
それを松にぃは笑いながらいなして、私は雅紀君と目を合わせて小さく笑った。
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なるちゃん(プロフ) - 堪能した この言葉がぴったり当てはまるすばらしい作品でした！ 喫茶店がオープンしてからのエピソードも楽しみにしています！ (2019年7月1日 8時) (
レス) id: ed0a73ac99 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - はるさん» はる様こんにちは。嬉しいコメントありがとうございました。私も大好きなお話でした。また書けるといいなぁって思います。ほんと、主人公ちゃん羨ましかったですねー。読んでくださってありがとうございました！ (2019年4月5日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - aoさん、こんにちは。素敵なお話をありがとうございました。ゆっくりと進む感じの二人がとても素敵でした。智ちゃんが格好よくて主人公ちゃんが羨まし過ぎです。また続きが読める時がきたら嬉しいです！ありがとうございました！ (2019年4月4日 15時) (レス) id: b3c5b647ee (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kikiさん» kiki様、コメント嬉しいです！kiki様のご都合のいい時に遊びに来ていただいて、余裕のある時にまたコメント下さったら嬉しいです。私はいつでも両手を広げて萌えるカッコイイ青色さんを用意してお待ち致しておりますので。頑張りまーす！ (2019年4月4日 9時) (レス) id: 0d583270dc (このIDを非表示/違反報告)
kiki(プロフ) - 忙しい中、癒されてます。ゆっくりコメントできず申し訳ありません。でも、毎回楽しみにしております。 (2019年4月2日 8時) (レス) id: 53337431dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年3月13日 10時
