6話 ページ7
櫻井君がそんな私と相葉君を優しい目で見ながら「この子何歳くらい?」って聞いてきた。
「わかんないんだよね。前の飼い主の三井も拾い猫だからって言ってて。んー、まだ小さいよ。歯の生え揃いから見て、六ヶ月くらいじゃないかな。人間で言ったら5歳くらい」
松本君が言った。
「当分連れて歩くの?」
「・・・・・・・家に置いておけないし。幸いこの子、賢いから現場で暴れたりしなさそうっていうのもあるんだけど、・・・・・・・三井がほったらかしにするからまだ全然痩せてるし。なんか心配で」
言って、相葉君はみんなを見回した。
「当分迷惑かけるけど、よろしくお願いします。何か問題が起こりそうになったら、その時は事前にペットホテルに預けるようにするから」
決意を込めた真摯な眼差しに心打たれた私は泣きたくなった。
いい人に飼い主になって貰って幸せだよ・・・・・・・。
でもメンバーもみんな、やっぱりいい人だった。
一斉に広がる笑顔と了承の声。
「全然いいよ?」
「相葉ちゃん、そんな顔すんなって」
「問題なし」
「面白くなりそうじゃない?」
ああ、素晴らしいグループ!
私は相葉君の隣に並んでみんなの方に向き直ると、ご挨拶にと、にゃーと一鳴きした。
それを見て目を丸くするみんな。
「リーダーより世渡り上手いんじゃない?」
二宮君の言葉にみんな笑って、これからの生活に期待が持てた私は急に眠くなった。体力がやっぱり人間とは違うから。
私はその場で丸くなった。
「このタイミングで寝るとか、やっぱり猫っぽいなこいつ」
松本君の言葉に櫻井君が突っ込んだ。
「いや、っぽいじゃなくて、猫だから!・・・・・・ところで智君、いったい何があったの?」
話の冒頭をしっかりと覚えている櫻井君の言葉にみんなの視線が一斉に大野君に集まった。
私も片目を開けた。
大野君は過保護なみんなの眼差しに一人苦笑して、仕方なさそうに呟いた。
「・・・・・・映画、決まって」
瞬間、みんなは喜びを爆発させかけた。でも、最初の大野君の疲れたような顔を思い出したのか、万歳しかけた手を引っ込めてた。おめでとうはちゃんと言ったけど。
「どんな映画なの?」
慎重に切り出した櫻井君だけど、聞きながらどんな言葉を聞いても対処できるように頭をフル回転させてるのが手に取るように分かった。
みんなもごくりと唾を飲み込んで緊張してる。
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ao(プロフ) - えべすさん» えべす様こんにちは。お越し下さってありがとうございます。頑張りますので、また是非遊びに来て下さいね。 (2019年5月26日 21時) (レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
えべす - ワクワクドキドキしながら読んでます!これからも楽しみにしてます。 (2019年5月26日 13時) (レス) id: 0ca7106291 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - くますけさん» くますけ様いらっしゃいませ。私も自分で作って自分で読んで癒されて充電しています。お力になれて嬉しいです!私はくますけ様のコメントが力になりました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。 (2019年3月25日 9時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
くますけ - ao様こんにちは!この作品とっても好きです!VS嵐や嵐にしやがれがない週も、こちらで充電させていただいてます! (2019年3月23日 14時) (レス) id: d22e81891d (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kamiさん» kami様こんにちは。癒しになれているとのこと、すごく嬉しいです。猫ちゃんにあまーい大野さん。まだ何作か書き溜めてあるんで、しばらくコンスタントにお届けできると思います。今後もよろしくお願いいたします。 (2019年3月22日 13時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ao | 作成日時:2019年3月13日 9時