6話 ページ29
シマちゃんが私の口元に指を出した。
舐めてって？
舐めちゃったらそのままシマちゃんちに連れて行かれちゃいそうで舐められなかった。
私は身を翻すと走って大野君の胡座をかいてる膝の上に飛び乗った。
ここがいいの。
でももし大野君が行きなさいって言ったらその時は･･･････。
｢ありがとシマちゃん。･････相葉ちゃんから預かった子だから俺が面倒見るよ。気持ちだけ貰っとく｣
大野君･･････。
大野君は私の背中を撫でながらシマちゃんにもう一度御礼を言った。
でもやっぱりシマちゃんはいい人で。そりゃそうだって快活に笑って、大野君が用意していた箱に入った日本酒のお土産を片手に、夜なのに昼みたいな明るさで帰って行った。
大野君は暫く私の身体を撫でつづけてくれた。
･･････もしかして、シマちゃんに預けた方が良かったかなって後悔してるの？
見上げたら、浮かない顔をしてるから悲しくなった。
･･･････どこにでも行くから元気出して？
｢にゃーん｣
｢･･････ん、A？ ごめん、ぼーっとしてた｣
苦笑して、指先で私の顎をくすぐる。
その指が私の口元近くにやってきたから、ぺろりと舐めた。
｢えっ｣
驚いてる。
｢俺のは舐めてくれんの？｣
ほんとだ。
躊躇いなんて少しもなかった。
自分の中で、いつの間にか大野君が三人目のご主人様になっていることに気がついて、くすぐったくなった。
｢そっか。･･････よろしくな｣
大野君も嬉しそう。
｢にゃーん｣
良かったぁ。
｢よっしゃ！｣
元気よく立ち上がった大野君。
私も同じように立ち上がった。
この一週間、少しでも、大野君の毎日に彩りが添えられるよう頑張ろう。猫は猫なりに。うん。
｢なぁ、A｣
｢にゃん｣
｢一緒に風呂入ろっか。洗っちゃる｣
すっごくいい笑顔なんだけどね？
相葉君は三匹も飼ってるから、いつもお風呂はお店に連れて行ってくれるか、昼間にお風呂場で半袖半パン姿で洗ってくれてて、一緒に入ったことはなかった。お風呂入ったのだってそこまで回数ないし。
一緒に入るということは、大野君の裸を目の前にするわけで。
私は思わず固まった。
･･･････なんだろう、このドキドキは。私猫なのに！
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ao(プロフ) - えべすさん» えべす様こんにちは。お越し下さってありがとうございます。頑張りますので、また是非遊びに来て下さいね。 (2019年5月26日 21時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
えべす - ワクワクドキドキしながら読んでます！これからも楽しみにしてます。 (2019年5月26日 13時) (レス) id: 0ca7106291 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - くますけさん» くますけ様いらっしゃいませ。私も自分で作って自分で読んで癒されて充電しています。お力になれて嬉しいです！私はくますけ様のコメントが力になりました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。 (2019年3月25日 9時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
くますけ - ao様こんにちは！この作品とっても好きです！VS嵐や嵐にしやがれがない週も、こちらで充電させていただいてます！ (2019年3月23日 14時) (レス) id: d22e81891d (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kamiさん» kami様こんにちは。癒しになれているとのこと、すごく嬉しいです。猫ちゃんにあまーい大野さん。まだ何作か書き溜めてあるんで、しばらくコンスタントにお届けできると思います。今後もよろしくお願いいたします。 (2019年3月22日 13時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年3月13日 9時
