3話 ページ26
一室、開ける前から匂いが違う部屋があった。
それは大野君のアトリエだった。
いろんな画材がたくさん置いてある。壁に立て掛けられた大きなキャンバス。絵の乗っていない空のイーゼル。幾何学なたくさんの造形物。
おもちゃ箱みたいだと思った。
私が入るのを躊躇っていたら、｢入っていいよ？｣って言われたけど入れなかった。
凄く大切な部屋な気がして。気安く立ち入っちゃいけないような。
なのに大野君は勘違いして。
｢え？くせぇ？ 油絵の具の匂い？｣
違うよ。入って物をうっかり壊しちゃったら怖いからだよ。
｢猫って嗅覚いいんだっけ？｣
首を傾げた大野君はどこかに電話をし始めた。
｢シマちゃん？ 猫って鼻いいの？｣
思わずずっこけそうになった。
大野君、説明省きすぎだよ！
｢あははは、うん。猫預かることんなって。え？･･････もういるよ。え？トイレ？ あ、用意してない。飯？ 買ってない。でもホテルに持ってく荷物にいろいろ入ってるって言ってたなぁ･･････。え、来んの？今から？･･････あい、あい。んじゃね｣
電話を切った大野君は首筋をぽりぽりと掻いた後、おもむろにキッチンに向かった。
慌てて着いていく。
大野君、今からシマちゃんって言う人が来るの？ 何しに？ もう夜の11時半だよ？
あ･･････もしかして女の子？
彼女だったりする？
なら分かってます。寝室には絶対に立ち入りません。お邪魔はしませんから。
｢えっと･････あった｣
大野君の彼女ってどんな人だろうって考え込んでいたら、大野君が私を持ち上げてどこかに置いた。
段ボールの中に新聞をいっぱい引いた箱の中にいる。
｢とりあえずAの便所な？｣
と、トイレですかここは！
そういえばそういうお世話もこれから全部大野君がしてくれるんだって気付いて恥ずかしくなった。相葉君ちは私以外にもペットがいたし、相葉君は慣れてたから何にも思わなかったけど、何だか照れちゃう。
｢出ねぇ？｣
そんな見られたら出るものも出ません！
｢おっかしいな｣
わー！持ち上げないで！乙女のそこを凝視しないでー！
｢見られたら出ないか｣
そうです、そう！
｢とりあえず場所だけ覚えろな。ここAのトイレ。わかった？｣
｢にゃ、にゃー｣
｢うしっ。賢いなぁおまえ。おいらとあそぼっか｣
抱き上げられて、ソファに連れていかれた。
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ao(プロフ) - えべすさん» えべす様こんにちは。お越し下さってありがとうございます。頑張りますので、また是非遊びに来て下さいね。 (2019年5月26日 21時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
えべす - ワクワクドキドキしながら読んでます！これからも楽しみにしてます。 (2019年5月26日 13時) (レス) id: 0ca7106291 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - くますけさん» くますけ様いらっしゃいませ。私も自分で作って自分で読んで癒されて充電しています。お力になれて嬉しいです！私はくますけ様のコメントが力になりました。ありがとうございました。これからもよろしくお願いします。 (2019年3月25日 9時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
くますけ - ao様こんにちは！この作品とっても好きです！VS嵐や嵐にしやがれがない週も、こちらで充電させていただいてます！ (2019年3月23日 14時) (レス) id: d22e81891d (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - kamiさん» kami様こんにちは。癒しになれているとのこと、すごく嬉しいです。猫ちゃんにあまーい大野さん。まだ何作か書き溜めてあるんで、しばらくコンスタントにお届けできると思います。今後もよろしくお願いいたします。 (2019年3月22日 13時) (レス) id: a016946e50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2019年3月13日 9時
