49 それだけは出来なかった ページ49
私は目頭がツンとして、瞬きしたらぽつんと涙が一粒こぼれ落ちた。
その涙を指先で拭った智は、そのまま私の肩を引き寄せて、私の肩に顎を乗せて喋った。
智の息が耳にかかる。
｢自分の選んできたこと、後悔はしてないけど、Aを忘れるとか、それだけは出来なかった｣
そう言って、少し身を起こす。
クスッと笑って、私の目から幾粒めかの涙が流れ落ちるのを至近距離で愛しそうに眺めながら自慢げに言った。
｢でも昔会ってなかったとしても、今初めて会った相手だとしても、俺、Aに惚れる自信ある。そんくらい好きだから｣
もう、やだ･･････。
あなたが好きよ。
泣き笑いになった私を見て、智はほっとしたように微笑んで、息のかかる距離で囁いた。
｢キスしてもいい？｣
｢アンが･･････いるよ？｣
｢寝てんじゃん｣
｢でも･････｣
｢あ、Aは？ まだ気持ち聞いてなかった。チューしてもいいって思ってる？｣
美味しそうな唇で、すぐに触れられそうな距離で喋らないで。･･････誘惑がすごいから。
こんな場所だし、アンがそこいるしって、ちょっと堪えたんだけどダメで、結局、吸い寄せられるように自分から智の唇に触れに行ってしまった。
ちょっと触れてすぐに離したんだけど、やっぱり我慢できなくってもう一度キスしようとしたら、今度は智に指先で唇を押さえられて阻まれた。
どうして？って涙目で睨んだら、智が甘い声で私を窘めてきた。
｢･････まだA、言ってないから｣
｢何を･･････？｣
｢好きって、こっちは言われてない｣
そんなのわかるでしょって睨んだんだけど、許してくれなくて、私は心を決めて、息を吸い込むと言った。
｢好きよ。智が好きなの。もう、どうしようもないの･･････｣
｢ふふ、うん。これでAは俺のもん。何してもいいよね？｣
｢･････何するの？｣
｢とりあえず、気持ちいいことやんない？｣
男の目になったのを見て、下腹部がジンとしちゃう。
｢だから、アンがそこに･････｣
｢キスするだけ。ンフフ｣
そう言って、触れたら消えそうな泡にするみたいにそっと唇を触れさせて来た。大切に想われていると感じられる口づけだった。
ぎゅっと抱きしめられる。
｢もう離さねぇよ？｣
｢うん･････！離れない｣
見つめ合って、お互い引き合うようにまたキスをした。
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ao(プロフ) - あゆねさん» あゆね様ありがとうございます！私も羨ましいです。こんな元彼がいたらいい思い出作れそうです。頑張ります。感謝です。当分 (2018年11月15日 14時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
あゆね - このお話がとても好きで、毎日読んでいます！主人公ちゃんがほんとに羨ましいですね(笑)これからもaoさんのペースでがんばってください！応援してます！ (2018年11月12日 0時) (レス) id: 1048fe7101 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様、読んでいただけて感謝です。二人に挟まれて羨ましい限りです。今後もご期待下さいませ！ (2018年11月11日 7時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今日も続きが読めて嬉しいです！翔くん出てきたー！と思ったらかなりグイグイでキャー！です。智ってば寝てる場合じゃないのにー！とニタニタしておりますよ（笑） (2018年11月10日 20時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様コメントありがとうございます〜！新作も萌えを追求していますので、是非ご一緒にときめいて下さい。気に入ってくださるといいのですが。ありがとうございます！ (2018年11月8日 20時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年11月1日 14時
