42 快挙 ページ42
確かにそれは大スクープだ。成功すればこの病院にとって快挙にもなる。
先週、優香ちゃんの手術は無事終わっていた。そこには、メンバーに入れて貰えた智の姿もあり、術中、イレギュラーな欠損が見つかったけれど、過去に同じ症例を経験したことのある智が機転を利かせてアドバイスし、難無く手術を乗りきったと、私とは１８０度も違う華々しい話で院内に広がっている。
｢ただし｣
部長が気を引き締めた低い声で言った。
｢あなたと大野先生に何もなければ、ね？｣
ドキッと心臓が大きく音を立てた。
｢櫻井先生だけじゃなくて、今度は大野先生もってなったらもう私も庇いきれないわよ？時のスターを二人も天秤にかけてって、そのうちワイドショーにでも放送されるんじゃないかしら｣
私は焦って言った。
｢それは有り得ません！ ･････大野先生にはお付き合いされている方がいらっしゃいますから｣
｢そうなの。じゃあお付き合いしている方がいらっしゃらなかったらあなたと有り得るってことね｣
咄嗟に反応が出来なかった。
しまった！
｢あり、有り得ません！｣
｢プライベートに踏み込みすぎてごめんなさい。とにかく、あなたにはぶれずに仕事をして欲しいの。あなたはコネじゃない。私と、現師長達の賛成多数で推しました。自信を持って。やっかんでる師長は一部で、みんなあなたのことを応援してるんだから｣
｢部長･･････。ありがとうございます｣
胸が熱くなって涙が出て来た。
自分がこんなに参ってたって、今初めて気がついた。
｢ということで翔ちゃん。あなた弱ってるこの子に今言い寄るの禁止だから。二人が相思相愛だって言うなら、それは嬉しいわよ？でもどうやらまだ違うようだしね？｣
ちぇって子供みたいな悔しがり方をした翔君は私を見て笑った。
｢とりあえず保留ね。でも申し込みを取下げるつもりはないから。俺のところに来たら損はさせないよ？｣
｢翔ちゃん！いい加減になさいな｣
翔君は部長に窘められて肩をすくめた。
私は小声で翔君にお礼を言った。
｢ありがとう、翔君。あ、違った、櫻井先生｣
私が舌を出したら、笑った翔君が私のおでこをピンと弾いてきて、二人で笑いあった。
部長のしみじみとした声が響く。
｢お似合いなんだけど。思ったようにはうまくいかないものねぇ･･････｣
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ao(プロフ) - あゆねさん» あゆね様ありがとうございます！私も羨ましいです。こんな元彼がいたらいい思い出作れそうです。頑張ります。感謝です。当分 (2018年11月15日 14時) (
レス) id: 492f498e0a (このIDを非表示/違反報告)
あゆね - このお話がとても好きで、毎日読んでいます！主人公ちゃんがほんとに羨ましいですね(笑)これからもaoさんのペースでがんばってください！応援してます！ (2018年11月12日 0時) (レス) id: 1048fe7101 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様、読んでいただけて感謝です。二人に挟まれて羨ましい限りです。今後もご期待下さいませ！ (2018年11月11日 7時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
ユミ(プロフ) - 今日も続きが読めて嬉しいです！翔くん出てきたー！と思ったらかなりグイグイでキャー！です。智ってば寝てる場合じゃないのにー！とニタニタしておりますよ（笑） (2018年11月10日 20時) (レス) id: 5a2a163833 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - ユミさん» ユミ様コメントありがとうございます〜！新作も萌えを追求していますので、是非ご一緒にときめいて下さい。気に入ってくださるといいのですが。ありがとうございます！ (2018年11月8日 20時) (レス) id: 1822afa89a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ao
| 作成日時：2018年11月1日 14時
