2話 ページ35
｢おーちゃん、大丈夫なの･････？｣
おーちゃんは私の顔と私が持っている麺棒とを見比べて、綺麗な瞳を見開いて瞬きさせると、一瞬の間の後、いきなりおなかを抱えて笑い出した。
｢アッハッハッハッ！｣
｢え？｣
わけが分からないで立ち尽くした。
･･････この時私は、自分が麺棒を構え続けていることを忘れていた。それは笑われるのが必至の、腰を落とした変な格好で。
でも私はそんなことより、おーちゃんが怪我一つなく元気でそこにいてくれることにほっとしていた。
おーちゃん。いったいこれは何なの？
さっき私が見たのは、いつもおーちゃんの話に出て来る従兄弟の松にぃで、喧嘩してへそを曲げた恋人の新田さんを追い掛けて来たんだって聞いて、納得するやら呆れるやら。
私は行き場をなくして出掛けようとしていたおーちゃんが気の毒でうちに誘った。
｢おじゃまします｣
思えばおーちゃんをうちに上げるのは初めてだった。
｢おーちゃんちと同じ間取り？｣
｢うん。でもこっちのが広く感じる。うち画材で埋もれてるから｣
おーちゃんは私が勧めたソファに座らず、ベランダに足を向けた。
｢ベランダ見ていい？｣
｢いいよ？｣
カラカラと窓を開けたおーちゃん。私はキッチンでお茶の準備をした。バリスタのおーちゃんに飲み物を入れるのは緊張するけど、私も喫茶店をオープンさせようとしている身で、そこは怖じけづいていられない。
ソファ前のローテーブルにコーヒーを置いてベランダに行くと、おーちゃんは私がいつも座っているのと同じ格好で丸椅子に腰掛け、育てているハーブをのんびりと眺めていた。
｢おーちゃん。コーヒー入ったよ。ここで飲む？｣
私のお気に入りの場所に私の好きな人がいるという奇跡みたいな光景をずっと眺めていたいような心地で声をかけると、ここで飲みたいけどまたにするって、中に入ってきた。
｢落ち着くね、あそこ｣
｢ありがとう。私は朝が一番好きなの｣
｢ふーん。･･････じゃあそれはまた今度｣
そう言って、私が用意したコーヒーが目の前に置いてあるソファに座った。
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ao(プロフ) - 765proharukavaiさん» 765proharukavai様はじめまして。コメントありがとうございます。ラブラブ具合はいかがでしょうか。お楽しみ頂けてたら嬉しいです。これからもよろしくお願いいたします！ (2018年9月6日 8時) (
レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - あいさん» あい様ありがとうございます！ぎこちなさが残る二人、うれしはずかしで、いい時期ですよね。慣れるとかなく、このままの二人でお送りできればなぁと思います。よろしくお願いいたします！ (2018年9月6日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
ao(プロフ) - はるさん» はる様こんにちはー。ラブラブな二人、お楽しみいただけてますか？これからもよろしくお願いいたします！ (2018年9月6日 8時) (レス) id: e96312c6a0 (このIDを非表示/違反報告)
765proharukavai(プロフ) - 初めてコメントをさせて頂いています。いつも楽しみにして読ませて頂いております。純粋でほのぼのとしたふたりの雰囲気が、なんだかほっこりとしてとっても和みます！これからのラブラブ具合が楽しみです!!次の更新を楽しみに待ってまーす。 (2018年9月5日 16時) (レス) id: 42941b0f76 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - お話も現実も台風一過で幸せ気分です。まだぎこちなさが残る微妙な距離感の二人が可愛らしいですねー☆ (2018年9月5日 12時) (レス) id: cdabb1149e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお
| 作成日時：2018年8月28日 15時
