賞味期限。2

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「っ速いねんなあ、全く...っはぁ、」

『...なんで、来たんですか』

「今日はAと帰る約束やもん。」
「先約はお前。」



さっきまで空いていた隣にはちゃっかり龍友さんがいる。

寂しかったのに、苦しかったのに。切なくて、胸がぎゅってなったのに。
龍友さんが隣にいるだけでこんなに幸せ。


ただ先に約束していただけ。
でも、優先されたのが嬉しい。



『...篠田さんは？』

「また今度って言った。」

『そうですか、』


ホッとした反面、その今度というのはいつだろう、その時が私の恋の終わりだって思うと...ただ先延ばしになっただけだ。



街の灯りを眺める龍友さんの瞳が揺れる。


迷ってくれて、嬉しい。それだけでもう十分だから。
欲張りになるのはもうやめた。


龍友さんを困らせたくない。苦しめていたのは私だった。



『龍友さん、空いてる日ご飯食べに行きませんか？』

「うん。...僕はいつでもええよ。」

『...じゃあ、明日にでも。』



一時の幸せでいい。
だから最後くらい素敵な思い出で終わらさせて。

これで、最後にするから。









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