愛故に。

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「Aちゃーん、裕太くんお願いー」

『...はーい。』



まだ眠そうにスマホをいじっている中務さんを視界に入れる。

...毎回声をかけるのに勇気がいるんだよなぁ。




『あの、中務さんっ』

「...なに」

『髪のセットしたいんで、』




決してスマホから目を離さないで言葉を返してくる。

これ、いつも通りです。


返してくる言葉が短いのも、声が冷たいのもいつも通りです。

無言でヘアセットする場所へ移動するのもいつも通り。




彼が冷たいのは、いつも通りすぎて困るくらい。

亜嵐さんとかには"あれ照れ隠しだから"なんて言われたけど、絶対違うと思う。


初めて顔合わせた時なんて、すぐに顔逸らされてスマホいじられたんだよ。

相当な嫌われようだと思う。



それで髪のセットが終わると、また無言でさっき座ってた椅子に座る。




龍友「裕太くーん、ちょっと来てー」

「なしたーん？」



圧倒的な差。

そりゃあ、メンバーだし男同志だしそういうのもあると思う。


でも流石に明確すぎる。




亜嵐「ごめんね、あれ照れ隠しだから」

『...そんな訳ないですよ。』





私、あの人苦手です。









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