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_Ryuto side_
僕は、自分が思っていた以上に一途だ。
篠田「ああ、もう!ほら、龍友早くしてー!」
「えー、もう5分待って」
篠田「待てませんっ」
誰にも言えない。自分だけが知っていればいい。
そう思ってずっと、隠してきた。
笑顔が可愛くて、しっかりもので、彼氏持ち。
勝ち目なんてなかったのだ。
それでもまあ、諦められないのが片想い。
忘れよう、やめよう。そう思っても朝になれば決心は緩むし、彼女に会えば気持ちがぶり返す。
ああ、また今日もダメだったって。
明日こそはと思いながら眠りについても、また同じ明日が来る。
『一途ですね、数原さん』
「まあな。ほら、僕こう見えて心は男子高校生やから。」
『いやいや、今どきの男子高校生ですら数原さんに負けてますよ。』
この子は絶対に、恋愛に疎いタイプだと思っていたのが正直なところ。
だから、僕が素直に打ち明けたときの彼女の表情には驚いた。
こんな表情するんや、って。
割と仲は良くて、二つ下なこともあってか妹とか、親戚の子くらいに可愛がっていた。
コップの中の氷をストローでクルクル回して、ずっと僕の想いを知っていたかのように言った彼女の言葉と表情が何故か胸に刺さった。
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みん(プロフ) - 素晴らしい文章力で、引き込まれます!ありがとうございます! (2019年5月20日 9時) (レス) id: f912ed750b (このIDを非表示/違反報告)
ARM26(プロフ) - すごく好きです…!こんなに引き込まれて一気に読んだのは初めてです!これから続編読むのですが楽しみ半分、終わりに近づいてる寂しさ半分…終わりまで楽しませていただきます! (2019年1月18日 21時) (レス) id: 6024ec169a (このIDを非表示/違反報告)
GENE love - 葵子さん» 賞味期限2も読ませてもらいました! ほんまに泣きました。 ほんまに体験してるみたいな気分になって切なくなって感動です! 頑張ってください! (2019年1月13日 20時) (レス) id: 1e4df9a365 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦で~す推し。(プロフ) - 愛故にを読んでるとき号泣してたので、ハンカチ用意しときます。真顔 (2019年1月13日 14時) (レス) id: 52e976e0eb (このIDを非表示/違反報告)
葵子(プロフ) - 釈迦で~す推し。さん» これからもっと切なく......(;Д;)(;Д;)← (2019年1月13日 14時) (レス) id: 6b76cfea77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵子 | 作成日時:2018年11月25日 18時