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『え、?』
中務「嫌な1日だったときは早く寝ればええよ」
『...そうなんですか?』
中務「ん。少しはマシ。」
得意気に言う中務さんは、やっぱり気づいていたのだろうか。
...どこまで?
そう考えると、寝られない気がする。
『じゃあ...朝になっても立ち直れなかったら、どうすればいいですか?』
中務「んー......その時は俺のとこおいで、」
頭を優しく撫でられ、落ち着く声でそう言われる。
おやすみー、と言って背を向けてしまった中務さんをぼーっと見届け、お礼を言いそびれたことに気づく。
その場で立ち尽くして数分、やっと私は自分の家へ入った。
中務さんの言う通り早く寝るために、最低限やることをやってすぐにベッドに横になった。
目を瞑って、できるだけ何も考えず眠ってしまえればいいんだけどそうもいかない。
浮かんでくるのは龍友さんと篠田さんで、薄暗い部屋の中溜息を吐いた。
私は、龍友さんじゃなきゃダメなのに。
その言葉が余計に自分を苦しめる。
私と龍友さんの1ヶ月だけの関係は、自分の首を絞めているだけなのかもしれない。
私がそう気づいたのは約束してから今日までの、2週間経った頃だった。
とことんマイナスな考えに陥って、気づけば私は意識を手放していた。
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みん(プロフ) - 素晴らしい文章力で、引き込まれます!ありがとうございます! (2019年5月20日 9時) (レス) id: f912ed750b (このIDを非表示/違反報告)
ARM26(プロフ) - すごく好きです…!こんなに引き込まれて一気に読んだのは初めてです!これから続編読むのですが楽しみ半分、終わりに近づいてる寂しさ半分…終わりまで楽しませていただきます! (2019年1月18日 21時) (レス) id: 6024ec169a (このIDを非表示/違反報告)
GENE love - 葵子さん» 賞味期限2も読ませてもらいました! ほんまに泣きました。 ほんまに体験してるみたいな気分になって切なくなって感動です! 頑張ってください! (2019年1月13日 20時) (レス) id: 1e4df9a365 (このIDを非表示/違反報告)
釈迦で~す推し。(プロフ) - 愛故にを読んでるとき号泣してたので、ハンカチ用意しときます。真顔 (2019年1月13日 14時) (レス) id: 52e976e0eb (このIDを非表示/違反報告)
葵子(プロフ) - 釈迦で~す推し。さん» これからもっと切なく......(;Д;)(;Д;)← (2019年1月13日 14時) (レス) id: 6b76cfea77 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葵子 | 作成日時:2018年11月25日 18時