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そんなに結衣ちゃんが好きなんだ。

私もその姿見て、
地の底まで落ちていきそう。


「ショータ、誤解かも知んないよ。
ほら、結衣ちゃん、
酔ってたみたいだしさ」


なんとなく、そんな感じがしただけで、
確証はないんだけど、
とりあえず慰めなきゃ。

焦るばっかりで、
言葉が空回りしてる。


「キスしてて、誤解とかあるんですか。
酔うてたら、
女の人は好きでもない男とキス出来るん?」


「それは・・・
そういう事もあるんじゃないのかな。
大人なんだし。
キスだけじゃあ、
結衣ちゃんの気持ちがショータから離れたかどうかは分かんないよ」


なんで結衣ちゃんの肩を持つような事を言っちゃってんだろ・・・

ライバルを蹴落とすいいチャンスなのに。


「前にA先輩と取材した女の人たちも言うてた。
それに、那月先生の小説の主人公も梨沙も・・・」


ショータが独り言みたいに呟く。


人気作家の安藤那月先生の不倫小説は今、
うちの雑誌で連載されてて、
大反響を呼んでる。


文芸誌でしか書かない先生に、
1年前、私が拝み倒して、
うちでの連載を取り付けたんだよね。

最近、ショータも、
ずっと一緒に打ち合わせしてるんだけど。

男子が読んだらドン引きだろうなっていう、
女の業や計算高い姿が、
如実に切実に表された作品ではある。


取材で会う主婦も、
ゲームみたいに不倫をしてるのは確かだ。


「A先輩も?」


ショータが不意に顔をあげて、私を見た。

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年7月7日 9時

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