アイツの空 (ページ22)

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「じゃあ、
さ来週頭には、取材に行って来てくれ。
Aと・・・
空いてんのは、ショータだけやな。
二人でよろしく」

シンゴがあっさり言った後。

「ほい、じゃあ次行くで」

さっさと進めてく。

ショータと二人きりで金沢か。

日帰りだけど嬉しい。

あんまにやけないようにしなきゃ。

隣のショータが、私に目配せして。

「お願いします」

ちっちゃく言う。

なんて可愛いんだ。

確実にそこんじょそこらの女子より可愛いぞ。

仕事が終わって、
シンゴに指定されたレストランへ。

今日はいつもの居酒屋じゃない。

間接照明だけの薄暗い店内。

洗練されたインテリア。

うちの雑誌では扱わない、
おしゃれで高級そうなお店。

席に着くなり。

「この前はすまんっ」

シンゴが頭をばっと下げた。

やっぱ、あの告白を訂正したいわけか。

「いいよ。
気にしてない。
酔って出た言葉なんて、
真に受けたりしないし」

冗談で済ませればいいのに。

なんて思ってたら。

「ちゃうねん。
酔うてあんな大事な話したことを謝ってんねん。
真に受けてもらわな困るわ」

大真面目な顔でそんなこと言い出すもんだから。

落ち着かなきゃって、
おしゃれなグラスに入ったレモン水をぐい飲み。