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「そうやんな。
同じバンドが好きで、
ライブ行くぐらいええよな」
ショータが自分に言い聞かすみたいに言う。
結衣ちゃんは怒らないの?
付き合ってんでしょ?
・・・聞けなかった。
一週間後は、ショータとライブ。
そう思うと俄然、やる気が湧いてくる。
張り切ってた休み明け。
エレベーターでシンゴと一緒になった。
だいぶ気まずいぞ。
シンゴも珍しく困った顔をしてる。
「A、今日の夜、ちょっと時間くれるか」
おとといのあの告白を撤回したいのかもしれないなあって。
「うん、いいよ」
気軽に答えたら、
シンゴがほっとした顔したから。
なんか調子狂う。
シンゴが照れるなんて。
天変地異でも起こりそう。
編集部に着いたら、
ショータはもう来てて。
張り切って、企画書を書いてた。
ショータの企画書はいつもカラフルなイラスト付き。
一心不乱にデスクに向かってる横顔は、
あんまりにもかっこ良くて。
釘付けになりそう。
けど。
後ろから、シンゴがひょいっと覗いて。
「ショータ、お前、ほんまのアホか。
節約主婦向けの雑誌で、
なんでスキューバやねん。
今すぐやり直せ。
誰もお前の趣味聞いてないねん」
早速怒られてる。
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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年7月7日 9時