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18時になった。
今月も何とか間に合った。
原稿が上がって、みんな、
開放感でいっぱい。
「飲みに行くぞ!」
シンゴの掛け声。
いつもは厳しいけど、
フォローを忘れないから、
結局みんな慕ってる。
「Aも行くやろ?」
シンゴが、珍しく真面目な顔で聞いてきた。
「んー、疲れたし寝たいけど」
年かなあ。
昔みたいに元気が有り余ってない。
「なんでやねん。
おばあちゃんみたいなこと言うてんと。
おごったるから。
行くで」
いつも通り強引に誘うなら、
さっきみたいな遠慮がちに聞かなきゃいいのに。
変なの。
近くの居酒屋で、打ち上げ。
家族持ちの人や、
社内の人間とは付き合わないタイプの人は、
とっくに帰宅。
そんなに人数はいない。
結局、いつものメンバーって感じだ。
ショータは、
シンゴにビビッてるくせに、
必ず毎回参加してる。
シンゴはショータに厳し過ぎると、
私は思うんだよね。
言おうと思ってんだけど、
誤解を生みそうでなかなか言い出せないまま。
ショータの彼女の、
結衣ちゃんが、
奥の席まで移動してきて。
「村上編集長、異動になるって本当ですか」
シンゴに聞いた。
一瞬、しーんとなる店内。
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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年7月7日 9時