君にロックオン！【青根高伸】 (ページ9)

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9.君も、私を。ページ9

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「で、その彼はいくつくらいの人なの？」

19歳の歩ちゃんにとっては、青根くんとはあまり年が違わないし
年を言っても、引かれないかな？
………というか私、青根くんが何年生かも知らないんだった。
知らないことだらけだ。
こんな状態で好きだとか……。

「知らないんだ？」
「う、うん……」
「でも、連絡先は知ってるんでしょ？連絡してみたら！？」

歩ちゃんにそう言われて、少しだけ元気が出た。
これから知ればいいんだ。帰りの電車に乗りながら、考えた。
定時ぴったりの17時であがると、帰りはそんなに電車は混んでいない。
学生もあんまり乗っていない。
青根くんは何時くらいに帰るんだろう。

スーパーで夕飯の買い物をしてから、アパートのエレベーターに乗った。
ポストは今日もピザの宅配とかチラシで沢山。
まったく、仙台っていうのは都会だな。
エレベーターを降りると、大きい影が見えた。
それも私の部屋の前。
あの……姿は。

｢青根くん！？｣

驚いた。私の部屋の前に、青根くんが座っていたのだ。

｢ど、どうしたの？って言うか…電話番号教えたんだから電話くれればよかったのに｣

私に会いに来てくれた？そんなことよりも
何時に帰るか分からない私の部屋の前に座ってるなんて。

｢……電話、苦手だから｣

｢いや、じゃあメッセージとかラインとかあるでしょ…何時に帰るかわからないのに｣

入って、と自分の部屋へ通した。
一人暮らしの部屋に、会ってそんなに経っていない
あまり素性の分かっていない男性を入れるなんて
今考えれば凄く軽率な行動だけど
ずっと待っていてくれたことと、驚きが勝ってしまって
とにかく早く部屋で休んでもらわなきゃ、って思ってしまった。