38.未来の約束 ページ39
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そろそろ寝ようと思っていたタイミングに、青根くんが急に訪ねてきた。
青根くんはやっぱり、優しくて男らしい。そして真面目だ。
「俺…あんな言い方したけど、本当はAさんと早く結婚したいんだ」
突然そんなことを言うもんだから、入れたお茶を溢しそうになった。
「えっ………何を………ってか、そうなの!?」
「そうだ。これから先他の人と付き合うことなんて考えられないし…。言っただろう、昔」
青根くんは鎌先くんと歩ちゃんの結婚式のブーケトスの時の写真を指差した。
「いつか必ずその時は来るからって」
そう言ってまた、私を抱き締めてくれる。
「毎日Aさんのいる家に帰って、毎日話をして、それでたとえ喧嘩したとしても
ずっと側にいてすぐに仲直りがしたい」
普段、そんなに言葉にして愛情を表現しない青根くんの
その台詞に、私は泣いてしまった。
「じゃあ………そうする?」
これはもう、半分以上プロポーズなんだよね?
そう思って私から誘導する。
「ダメだ、まだ貯金が……結婚式と指輪と新婚旅行と……あと新居で使う家電と……」
青根くんがそんなに具体的に考えているなんて思わなかった。
「家電はうちのがあるし……貯金なら私もあるよ。てか、そもそも青根くんてあんまりお金使ってなさそうに見えるけど貯金そんなにないの?」
そう言うと青根くんは私に耳打ちした。
「多分充分過ぎる額だけど……いったいどんな豪華な結婚式あげようと思ってたの?」
「そ、そうなのか?だって指輪は給料3ヶ月分なんだろう?」
「それは昔の話で今はそんなに高いの買わないよ……」
やっぱり、真面目と言うか堅いと言うか。
でも、嬉しい。
私のことすごく考えてくれているんだな。
「俺は、Aさんと結婚したい」
「うん、じゃあ、しよっか?」
誰もが憧れるシチュエーションじゃないかもしれない。
けれど私にとっては、人生で一番嬉しい日。
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茜(プロフ) - ねこみやさん» ありがとうございます♡ (2月8日 23時) (レス) id: 42242e81de (このIDを非表示/違反報告)
ねこみや(プロフ) - まじで最後が尊すぎてめちゃくちゃ涙出ました尊すぎて( ; ; ) (8月27日 20時) (レス) @page41 id: 3ca32de087 (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - みーちゃんさん» とても嬉しいお言葉ありがとうございます! (4月26日 1時) (レス) id: 42242e81de (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん(プロフ) - 泣きました。 (4月26日 0時) (レス) @page41 id: 0002bb722b (このIDを非表示/違反報告)
茜(プロフ) - mooさん» お褒めのコメントありがとうございます! (2022年6月26日 23時) (レス) id: 42242e81de (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茜 | 作成日時:2018年6月14日 19時