君にロックオン！【青根高伸】 (ページ38)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:91,633 hit

37.今も未来もページ38

.

青根side

｢金のことなんて気にしてんのかよ！｣

鎌先さんは俺の言葉を聞いて、豪快に笑った。

｢結婚式…挙げてやりたいんで｣

｢お前真面目だな！男らしいぜ！！｣

鎌先さんには褒められるけど。
二口はつまらなさそうな顔だ。

「堅いよ、青根。女はもっとストレートにいかないと」

どういう事だ？

「そんな先の未来もいいけど、今喜ばせてやんなくてどうするよ」

確かに、早く結婚資金を貯めたいと思って
普段あんまり、遊びに行ったり贅沢をしたりしてなかったな。

「昨日……喧嘩……というか、怒らせてしまった」

「マジかよ？会いに行かなくていいの？」

「今日の約束があったから……」

「本当、青根は律儀で真っ直ぐだよな。でもAさんも、そういうお前が好きなんじゃないの」

鎌先さんはそう言ってくれた。

「今からでも彼女んとこ行けば？俺は久しぶりにお前の元気な顔見れて満足したし。二口と女川と小原がいるしな！こいつらにトコトン酒付き合ってもらうから！」

俺は小さく頷いて、鎌先さんの家を後にした。
彼女を一生守ると決めた。
どんな時も、Aさんの笑顔を無くすようなことを言ってはダメだ。
俺が一番側に居て、理解してあげなければ。
Aさんの家にアポなしで来てしまったけど
外から見たら窓に明かりが灯っていたので、チャイムを鳴らした。

「青根くん？どうしたの、こんな時間に……」

考えずに来てしまったけど、もうすぐ日付の変わる時間だった。

「すまん………どうしても会いたくて……」

今さらだが、もう帰りの電車はない。

「昨日は嫌な言い方をしてしまってすまなかった」

「私も、愚痴っぽくなってごめんね」

俺はAさんを抱き締めた。

「あと………すまないが泊めてくれ」

Aさんはとても嬉しそうに笑った。