君にロックオン！【青根高伸】 (ページ23)

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23.大切な人ページ23

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青根side

Aさんの作ってくれた親子丼はうまかった。

「お酒飲んじゃおーっと。青根くんは、コーラでいい？」

楽しそうだな。
外見も大人っぽいし、社会に出て働いているからか
落ち着いていて、妙に悟っているような部分もあったりして
そこが逆に、無理してないかな、大丈夫かなって心配になるんだけど。

「歩ちゃん……本当に良かった」

Aさんは結構酔っていた。

「友達のことか？」

「うん、歩ちゃんが彼氏と復縁出来て良かった。あーでも、不安だな。
なんか彼氏が職場の人好きになっちゃったとかで一度別れたんだけどさ……
青根くんも学校の子とか好きになっちゃったりしないかなぁって……」

ああ、そうか。歩ちゃんて。
Aさんの会社の友達は、中曽根さんだったのか。

「そんなことあるわけない。学校に女子は少ない」

「そういう問題じゃないーっ！」

まったく、酔うとかなり陽気になる人だ。

「そんなこと言ったら俺の方が心配だ」

そう言うと、Aさんは俺に抱きついてくる。

「私？私は他の人好きになんてならないもん。
青根くんが一番大好きー！！」

心臓に悪い。こんなことされたら。
可愛くて、大切で…愛しい。
だから心配にもなる。

「離してくれ……そろそろ帰る」

今日のところは帰らないと。
朝までずっと一緒にいたくなってしまう。

「そっかぁ……時間たつの早いなあ……」

寂しそうだ。そんな態度も可愛い。嬉しい。

「またな」

そう言うと、彼女は玄関で小さく手を振った。
これからは………恋人同士なのか。
俺は高校生だし、彼女より年下で
まだまだ出来ないことだらけだ。
一緒に酒も飲んでやれない、けど。
これから先は、一番近くにいて
今までよりもっと守ってあげたい。