君にロックオン！【青根高伸】 (ページ18)

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18.失恋相談窓口ページ18

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「今日、飲みに行かない？」

昼休み。
外で携帯をいじっていると、真坂さんがド直球で誘ってきた。

「何で私なんですか？私お酒弱いので…」

「俺も飲んで酔って忘れたいことがあるのよ。こう見えてもさ」

「じゃあ江藤さんとか、誘ってみたらどうですか？」

「つれないね武居さんは。まあそういうところがいいんだけどさ」

真坂さんは、顔もいいし人当たりもいいし
仕事もそこそこ出来て世渡り上手だ。
先輩からも後輩からも好かれている。

「武居さんてなんか、落ち着くんだよね。何でも受け入れてくれそうって言うかさ。
懐が広そうな感じ」

5歳も年上の先輩にそんな風に言われるとは
私ってそんなに貫禄あるだろうか。

「2課の係長のカミナリに耐えられてんの、武居さんくらいじゃない？俺すごいなって思うよ。
新人の女の子なんて大抵泣いてすぐ辞めちゃったりするもんね」

「それは………だって、仕事だから仕方ないじゃないですか」

「そこが凄いんだよ」

真坂さんは煙草に火を着けて、煙を私にかからないように手を反対側にかざした。

「俺失恋したかも」

「どういうことですか？」

「調子乗ってたんだな、きっと。好かれてることに」

私はすぐに、その相手が少し前に結婚した金谷さんのことだと悟った。

「真坂さんて、なんでも器用にこなす人だと思ってました。意外と恋愛には鈍感だったんですね」

「はは、そうだな……。武居さんに慰めてもらったら、元気出るかも」

まったく。真坂さんこそ、人の懐に入り込むのがうまい人だ。
そういうところ、羨ましい。

「じゃあ歩ちゃんと3人で飲みに行きますか。失恋相談窓口にくらいはなりますよ」