2 楽屋で再会、そして。【センラ】 (ページ4)

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電車が着き、ドアが開いた頃に私は駆け込み乗車をした。(みんなはしちゃダメだよ！)

うあああ…相変わらず満員電車だなあ…。
通勤ラッシュというのもあって周りは社会人ばかりだった。
ドアの目の前に立ち、電車に揺られる。

そうだ、千良に連絡しないと！

『電車乗ったけどどこにいるの？』

そう送ると、

セ『5号車。Aは？』

とすぐに返ってきた。

『7号車かな…？』

セ『おけ、そっち行くわ』

うあああ優しい…。
朝からほっこりした。

でもその時は一瞬で。

私はゾクッとした。

後ろから痴漢されたのだ。
後ろはおじさんサラリーマン、手で私の太ももからお尻にかけてをいやらしく触ってくる。

あまりにも恐怖で抵抗することも、声を出すことも出来なかった。

ただただ目の前にあるドアに手を置き、体は震えながら、早く会社の最寄り駅に着かないかひたすら祈った。

すると車内から大好きなあの声が聞こえた。

セ｢おい。おっさん｣

おっさん｢ﾋｯ｣

セ｢今、何しとった？まさかやけど、痴漢とか…やないよなあ？｣

千良だった。
車内はザワついた。
あちこちから｢え？痴漢？｣｢ホントにあるんだ…｣｢女の子可愛そう｣と聞こえてくる。

おっさん｢し、、証拠ないだろ！｣

セ｢いやあるやん。｣

おっさん｢どこにあんだよ！｣

セ｢この子。｣

そう言って千良は私を自分の腕の中に抱き寄せた。

セ｢この子、体震えとんの。分かる？｣

おっさん｢っ……｣

千良の腕の中はやっぱり落ち着く。
それと同時に涙が止まらなく出てきた。

その後、ちょうど電車内を巡回していた警察が来て、全てを話し、そのおじさんサラリーマンは次の止まった駅で警察署へ連れていかれた。

一段落して、千良は私をさっきよりも強く抱きしめてくれた。

セ｢怖かった？｣

いつもの優しい声であなたは聞く。

｢怖かっ…たっ｣

セ｢だよね、もう大丈夫やで、よしよし。｣

｢千良ぁ…｣

セ｢…会社少し遅刻しちゃいそうやね。連絡しとくからゆっくり行こな。｣

｢ありがとう…｣

そういって千良は私を片腕で抱き寄せつつ、もう片方の空いた手で会社に遅れることを連絡した。

｢初出勤なのに遅刻させてごめん…｣

セ｢ええねん、仕事よりもA優先やもん。それに、事情話せば分かってくれるやろ。｣

｢そう…だね｣