雪男のお姫様 part7

振り回され　黄青(リク) ページ35

愛河さんからのリクエスト。

side 青


俺と照の間に挟まれているこいつは、特別何かある訳じゃないけど、楽しそう。
たまに、ゆらゆら揺れるから、お互いの肩がぶつかって、ちょっと痛い。

緑「翔太、照、楽しいね。」

黄「そう？ならいいけど。」

青「どこがだよ。」
基本的に全肯定型の照と思ってることを言う俺は、阿部の一つの発言に対する返事が同じになることは少ない。
ただ、可愛いな。って思ってるのは、いつも一緒だと思う。

緑「えへへ、翔太がね、俺とぶつかると少し痛そうにするのが楽しい。」

青「いや、どういうこと？」

黄「そっか。良かった。」
いやいや、照も良かった。じゃねんだよ。何がいいの？俺が痛そうにしてるのが楽しいって、そういう趣味の持ち主だったの？

緑「正確に言うと、痛そうな顔したあとに、少しいろんな感情があるのを見るのが楽しい。で、そんな翔太が好き。」

青「おぉ、急だな。俺も好きだけど。」

黄「ね、俺は？翔太だけずるいんだけど。」
筋肉がある一見強面な男が、むっと拗ねた顔をして彼女に抱きついている。
まぁ、可愛いとは思うけどね、少しは。本当に少しだけど。

緑「んー？んふふ。他の人にやきもち妬いて、拗ねちゃうひーくんが好きだよ。」

黄「俺も好き。」
今にもキスしそうな距離感の二人にむっとして、阿部の肩を抱く。
すると、今度は阿部と俺の距離が近くなって、照がむっとして、阿部の腰を抱く。
二人の大人に肩と腰を抱かれているのに、にこにこして俺たちを見上げてくる。

緑「んふふ、どっちもやきもち妬きだね？でもね、」
そう言って、俺たちに耳を近づけるように促した阿部が、爆弾のような一言を囁いた。

緑「そんな二人が、大好き。」
驚いて二人同時に阿部を見れば、にひひ、なんていたずらが成功した子どものような笑い方をした。
なんだかすごいやり返したい気持ちになったが、とりあえず今日は阿部の腰は無事じゃないな。と照と目を合わせるのであった。

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