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『……あのさ、変なこと言ってもいい？』
一つ息を吐いたAが、ワントーン下がった声でそう尋ねる。
キヨの事を嬉々として話していた時とは打って変わった様子に、どこか緊張しながらも「うん」と頷いた。
『…………ちょっと、嫉妬した』
「は？何に？」
突然の告白は、なんの事やら検討がつかない。
Aが？嫉妬？何に？
大体、大人気なく嫉妬していたのは俺の方な筈だ。
『TOP4がゲームしてるとこ見て、嬉しい気持ちになったのも本当なんだけど、』
「……うん」
『レトルトさん達とゲームしてる時のきよくん、本当に楽しそうで……"こんな笑顔、初めて見た"って……なんか、悔しくなった、と言うか……』
「レトさん達に嫉妬してたの？」
『…………うん』
なんだよ、それ。
すげぇ可愛い嫉妬すんじゃん。
愛さ通り越して、逆にイラついてきたわ。
『だって……私が一番好きなのは、レトルトさん達でもキヨでもなくってさ…………きよくん、だもん』
「……は」
どんどんと小さくなっていったAの声。
でも、最後の言葉は俺の耳に確実に届いてて。
不意打ちのデレに、抱き締めていた腕がつい緩む。
その隙をついて、Aはするりと抜け出し、小走りでリビングへと向かっていってしまった。
「ちょ……！！言い逃げはずりぃって……！！」
俺の叫び声は静止力を持たず、ドアが勢いよくバタンッと閉まると共に、Aの姿は見えなくなった。
でも、俺は見逃してはいなかった。
俺の横を走り抜けて行った時、Aの耳が真っ赤だった事を。
それに、リビングに逃げ込んでも無駄。
寧ろ、Aは俺に追い詰められたも同然だ。
余裕綽々とばかりに、悠然とリビングに向かう。
俺の立場が優位になったとわかった今、Aの大好きな存在である俺がAの事を目いっぱい可愛がってやんねぇと。
さて、どうやってAをいじってやろうか。
『A』
ドアを開けたと同時に名前を呼ぶと、ソファに丸まっているAの体がびくっと震える。
その反応さえ可愛く見えて、さっきまで胸にあった醜い嫉妬は跡形もなく消えていた。
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あお(プロフ) - かむさん» コメントありがとうございます！とても励みになります〜！きまぐれ更新ですが、お付き合いいただければ幸いです！ (2022年5月9日 0時) (
レス) id: 35302002c7 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - コメント失礼します！投稿お疲れ様です！このお話、めっちゃ好きです！更新頑張ってください！ (2022年5月9日 0時) (レス) @page15 id: 91de7e5fbe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あお | 作成日時：2022年3月11日 10時
