捨て子を幸せに【d！】 (ページ13)

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No,12 ページ13

tn「エーミール、悪いけどAの面倒を頼めるか？」

em「全然いいですよ？」

tn「俺、大先生とか大先生とか大先生とかに用があるから。」

em「あー…なるほど。」

トントンの様子から見るに、恐らく説教せれるんだろうなと思うエーミールであった。

em「よしよし、かわええな〜」

『うい…』

zm「…」

em「もうミルクが無い……後で追加して来ないとですねー」

zm「…」

em「ゾムさん？さっきから何を見ているのですか？」

何もせず、無言で眺めてくることに疑問を持ったエーミールは、ゾムに問いかけた。

zm「……しい…」

em「えっ？」

zm「羨ましいんや…Aに好かれてることが。」

zm「俺さ…あんなことがあってから、Aに怯えられるようになっちゃってさ。」

em「…」

zm「悪いのは俺やって分かってるんやけど、やっぱり何か…………」

なかなか次の言葉を出さないゾム。

意外と彼は寂しがり屋なのだろう。

zm「俺、どうしたらええんかな……」

em「何もそこまで悩む必要もないのではないですか？」

zm「何で？」

em「確かに、あの時はゾムさんが悪かったかもしれない……でも、反省してるんならいいと思いますよ。」

zm「そうか…？」

em「Aもきっとそう思ってますよ。な、A？」

『……うあ？』

em「元気のないゾムさんの手を繋いでやってくれます？」

『……？』

zm「そんなん伝わるわけ……」

Aには言葉はまだ通じないが、ゾムがいつもより暗いことはしっかりと感じ取れただろう。

ギュッ

zm「……！」

『あい…！』

em「おお…！」

優しくゾムの指を握りしめるA。
そんなAにエーミールは感心し、ゾムは喜んだ。

zm「許してくれるん…？」

『……？あう』

zm「……ありがとな！」

ゾムにいつもの笑顔が戻ると、エーミールは安堵した。