お前だけが【kn】

33、青いニット帽 ページ33

【コネシマ】

zm「おはようさん、じゃあ城に向かうから着いてきてや。」

次の日。

ゾムが俺に向かって手招きをする。
結局コイツの言う通りに泊まってしまった。

kn「……お前さ、もっと警戒心を持ったらどうや？」

助けてもらったにしても、俺は所詮他人。
名前だけ知ったところで信用されるのも困る。

まぁ、俺も俺で素直に泊まったのも悪いが。

zm「別に悪い奴やないんやからええやん？」

kn「いやお前な？」

zm「ほら、行くで。急いでるんやろ？」

kn「……ああ」




しばらく歩くと、森を抜けた先にR国であろう街が見えてきた。
しかし、ゾムはそこで立ち止まった。

zm「この先、まっすぐ行けば着くで。」

ゾムは軽く指をさす。

kn「お前は行かへんのか？」

zm「いや……行かへんっていうか、行きたくない。」

kn「はぁ？」

あんな自信満々に着いてこいなんて言ってた癖にこれかよ。
度胸ある奴だと思っていたが、見た目通りただの子供にすぎない。

そういえばこいつ、俺と同じくらいの身長ということは、
歳はそんな離れてなさそうだな。

kn「最後まで案内しろや。お前はまだ信用ならへんのやから。」

zm「…」


zm「…分かったわ。」

ゾムは少し嫌な顔を見せたが、再び歩き出した。



zm「ん、着いたで。」

ゾムの言う通り、目の前には城らしき建造物が立っていた。

「！？ゾムさんですか！？！？」

門の見張りをしていた軍人が俺らの姿をとらえて、何やら誰かに連絡している。

すると、すぐに門が開き、中から一人の男がゾムに駆け寄ってきた。


？「ゾムーーーー！！！」

zm「なっ！？おい離れろや、！！」

男に抱きしめられ、何故かゾムは嫌そうな顔をしている。

？「いやー久しぶりだなー!俺に会いたくなったか?w」

zm「な訳あるかよっ!!だから嫌って言ったんや………」

……。
コイツ、だから行きたくなかったのか。

？「ん？お前は……………」

zm「あー、コイツ森の中で倒れとったから連れて来た。何か急いでるんやと。」

？「金髪で水色の瞳……」

何だコイツ。めっちゃジロジロ見てくる。

？「とりあえず入るか！ゾム、お前ももちろん入れよ？」

zm「……はーい」

男が立ち上がると同時に、赤いマフラーがひらりと揺れた。

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