お前だけが【kn】

12、泣いている少年 ページ12

【コネシマ】

Aが言う前から気づいてはいた。
だが、行ってみようという気にはならなかった。

それで変なトラブルに巻き込まれたりしたら面倒だからだ。

でもAは聞き逃さなかった。
………行くか。

kn「A、絶対離れるなよ？」

『うん！』

俺はAを一撫でして声のする方へと進む。
近づくにつれて、それが子供の泣き声であると確信する。

でも警戒は怠らない。
何が起こるか分からないから。

kn「…！」

行き着いた先には俺と同じくらいの少年がしゃがんですすり泣いていた。
いや……俺より多分一回り小さい。

？「……！？」

そいつは俺らに気づくと、焦ったように涙を拭いた。

？「な、何やお前ら！！？誰や！！」

立ち上がって俺らを睨みつける。

kn「……やっぱり小さいわ。」

？「あ！？喧嘩売っとんのか！？」

思わず口に出てしまった。
まぁ小さいのは事実だが…

『…お兄さんだあれ？何で泣いてたの？』

Aが俺の後ろから顔を出して問う。

？「……」


rb「俺はロボロ。…色々あって今は一人や。」

ロボロ…っていう奴は不貞腐れたように答える。
面倒くせえなコイツ。

rb「んで、お前らは誰なんや。」

まだどこか警戒して、でもさっきよりは落ち着いた声で聞いてくる。

kn「……コネシマ。こっちは妹のA。」

『Aだよ！よろしくね、ロボロ！』

rb「あぁ…よろしくな。」

kn「お前、ここで何しとるんや。」

rb「…別に、お前には関係ないやろ。」

kn「ん、じゃあ俺行くわ。」

rb「！？」

俺はAの手を引いてその場を去ろうとするが、ロボロに呼び止められる。

rb「空気読めや！何で何事もなかったように行くねん！！」

kn「じゃあ早よ言えや。ここで時間食ってる余裕はないねん。」

ロボロは呆れた様子で観念して話し始めた。

rb「……俺は親に捨てられたんや。」

kn「……」

rb「俺はいらない子なんや。だから家を追い出された。……もう帰って来んくてええって。」

kn「……ほーか。」

rb「っ！？さっきから何やねんその態度は！！」

また怒り狂って俺らを怒鳴りつけてくる。

rb「お前らはええよな！その格好どっかの貴族やろ！？どうせ裕福な暮らしをしとるんやろ！！」

kn「……」

rb「お前らに俺の気持ちなんか…分かるわけ無いんや！！！」

kn「黙れ」

後ろにいるAを撫でながらロボロと向き合う。

kn「…お前こそ俺らの生活知らん癖に。」

rb「……はっ？」

kn「……行くぞ、A」

『え？』

俺はAの手を引っ張って再びU国へと足を進めた。

13、新たな仲間？→←11、早朝

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す