青春の馬 5

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___その日から学校に行けなくなった山本さん

家に引きこもる生活が続いた

だけどある日、再び夢中になれるものを見つけることが出来た




「学校に行かなくなってからも、毎日泣いて泣いて寝れなくて…

あれほど大好きだったピアノも、少し練習をサボるようになりましたね。

だけどたまたま付いてたテレビのおかげで、今の私がいるんです。

お姉ちゃんは漢字欅さんが好きで、欅って書けないが付いてたんですよ。

それでその回は、1期生さんが初めて出た回だったんです。

なぜかは分からないんですけど、すごい衝撃を受けて…

久しぶりに、楽しいなって思うようになった瞬間だったと思います」




___何も無かった人生に、わずかな光が入った瞬間だった

そして、アイドルになりたいという新たな夢が出来た




「その時は、ひらがなけやきがあまり受け入れられてなかったというか…

自分と同じような感じがしたからハマったのかもしれません。

でも皆さんは受け入れられようと頑張ってるのに、私は全然ダメでした。

6年生も、多分2回ぐらいしか登校してないと思います。

運動会にも修学旅行にも出てないし、ずっとお家にいましたね。

でも塾には行かせて貰っていたので、勉強の方は大丈夫でした」




___そして、彼女は中学1年生になった

進学したのは最寄りの中学ではなく、隣町の中学校

全てをリセットするために、バスで30分もかかる所を選んだのだった




「お母さんに、隣町の中学に通うことを進めてもらって…

誰も私のことを知らないから、大丈夫かと思ってました。

だけど、周りの子たちはみんな小学校からの知り合いじゃないですか。

それで人見知りも重なってしまって、馴染むことが出来なかったんです。

でも嫌がらせを受けるとかな特になかったので、一応毎日通ってはいました。

だけど、この子友達いないんだ…的な目で見られるのはしんどかったです。

本を読むのはあんまり好きじゃないんですけど、こうすることしか出来なかったですね」

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