青春の馬 9

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加藤 side




やっぱりAの熱は39度1分までぶり返した。

それももちろん可哀想なんだけど、ママに会いたいってなんか泣きそうになった…

東京に来て3年弱、ママに会いたいってAの口から聞いたのはほんの数回だけ。

しかもここ1年くらいは全く聞いてなかったよ。

改めて思うけど、母の力って偉大なんだな。






:






A 「史帆ちゃん…？」


「ん〜？」


A 「ちょっと寒い…」


「あ、寒い？どっかに毛布あったりする？」


A 「えっと…あそこの押し入れの中」


「押し入れね、取ってくるから寝てていいよ」


A 「いや、座ってた方が楽…」


「ならソファー行こ？ここ壁硬いでしょ？」


A 「うん…っ」


「としちゃん抱っこしてあげるから捕まって？」


A 「ごめんね…」


「こんなのお易い御用ですよ〜？」




寒いってことは、まだまだ熱上がるよね…

寝転べないくらいしんどいなんて可哀想すぎるよ…

いくら座ってる方が楽とはいえ、ソファーに移動してもまだしんどそうだし。

とりあえず解熱剤を飲ませて、Aの背中をとんとん、ってする。

そうすると眠気が襲ってきたのか、いつの間にかAは夢の中へ。

今度こそは朝まで眠れるといいね。

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