青春の馬 7

・ ページ6

1時間くらいレッスンを受けて、振りは何となく頭に入った。

だけど、すぐに違う課題が浮上する。

シンクロニシティは、しなやかで繊細な動きが魅力的だよね。

日向坂は、どっちかと言うとパワフルで力強いダンス。

この真反対のことを綺麗に表現するのが難しい。

何度踊ってみても、カクカクした動きになっちゃうんだよね…






:






久美 「Aちゃ〜ん！私たちとお喋りしようよ〜」


「んー、話したいんですけど…まだダメダメだし…」


加藤 「んもうっ！また前みたいに倒れるよ？

あとで一緒に練習してあげるから、今は休憩休憩！！」


「え…」


金村 「ほらA！お水！」


「わっ…！危ないっ！」


小坂 「ナイスキャッチ〜 (笑) 」




今の自分に納得が行くわけなく、休憩時間になっても1人鏡の前で踊ってた。

すると先輩たちがお喋りの輪に入れてくださった。

みなさん「頑張ってるね〜！」なんて言ってくれるんだけど…

こういう時に優しくされると泣きそうになるんだよな…






:






久美 「あー！としちゃんがAのこと泣かした！」


加藤 「えっ、ちょっ…違うってば！！」


「違う違う…っ」


金村 「ダンス難しい？」


「難しいっ…」


小坂 「そうやんなぁ…菜緒も不安や…」




気付いたら本格的に涙が出てきてた。

でもみなさんも不安って聞いて、少しほっとした自分もいる。

デビューから4作連続でセンターを務めた菜緒さんでも不安なんだね。

少し休んだら、また練習頑張ろう。

・→←☆ 長女と末っ子

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す