青春の馬

誰よりもけやき坂を愛した人 ページ41

今さっき、私たちの間に衝撃が走った。

芽実さんの卒業が決定したらしい。

もう発売が決定してる2ndシングルの活動はしないこと、卒業後は芸能界に残らないこと。

あまりの衝撃に頭がクラクラした。

ただのファンだった時に経験した卒業と、こうやって一緒に活動させて貰った中で経験する卒業。

何倍も何倍も苦しくて、こんなにも辛いことだったんだ。






:






柿崎 「あ、そんなところに隠れてる子がいる〜」


高瀬 「Aも芽実と話し？」




私も芽実さんと話したかったけど、なかなかそばに行くことが出来なかった。

たまたまあった柱に隠れて芽実さんの様子を伺ってると、気付いてくださったみたい。

ほんとに卒業しちゃうんだなぁって顔になってる芽実さんを見ると、涙が止まらなくなってしまった…






:






柿崎 「そんなに泣かないの (笑) 」


「だってぇ…寂しいですよ…っ」


柿崎 「別に会えなくなるわけじゃないよ？またご飯行こうね。」


「ん〜っ…」


柿崎 「Aには頼みたいことがあるんだ。」


「え…？」


柿崎 「未来の日向坂はAとひなのに任せる。これは私からの期待値。」


「未来…」


柿崎 「頼んだよ〜？未来のエースに。」


「そんなのAには…」


柿崎 「出来ない最初っから頼まないよ。Aとひなのなら絶対出来るから。」


「時間はかかるかもですけど、いいですか…？」


柿崎 「うん、いっぱい泣いていっぱい悩んだらいいんだよ。」


「芽実さんっ…」


柿崎 「東京ドーム、見に行くから呼んでね？」


「はいっ…！」




デビュー曲のセンターに頼まれた、日向坂46の未来。

時間はかかると思うけど、私とひなのを信じて託してくださった芽実さん。

もう一緒に活動出来る時間は限られてる。

だけどそれまでに少しでも成長して、安心して卒業して貰えるようにしたいな。

ドレミソラシド→←【14歳】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す