青春の馬

優しい先輩たち ページ16

金村 side




もうデビューカウントダウンライブまで3週間を切って、毎日のようにあるリハーサル。

けやき坂46としてのラストライブ、日向坂46としての初ライブだから、みんないつもより気合いが入ってるね。

もちろん私もです。

何より1番大きく変わったのが、後輩が出来たっていうこと。

今まではひよたんが最年少だったけど同い年だから、私も1番下みたいな感覚だった。

だけど3期生の2人はまだ中学生。

ひなのは2個下で、Aは3つ下かな？

私ももう先輩だし、憧れてもらえるような存在でいたいな〜って。






:






「A、こっちこっち」


A 「あ…」




今回、約束の卵で隣に入ってくれるA。

Aはキュンも隣だから、ときめき草でも日向坂でも隣。

だから結構気にかけてたんだけど、やっぱりまだ慣れないよね…

踊ってる途中にサイリウムを落としたり、今だって立ち位置が分かってなさそうだった。

本来移動する方向の真反対に行ってたから、慌ててAの手を引いて元の場所へと連れて行った。






:






「とりあえず私に着いて来な？それで大丈夫だから。」


A 「はい…！」


「振り付けは大丈夫そう？」


A 「多分大丈夫だと思うんですけど、歌ったりしたら分かんなくなっちゃいそうで…」


「もし本番でもそうなっちゃったら踊りに集中した方がいいね。

ほら、その場で突っ立っちゃうのが1番目立つじゃん？ (笑) 」


A 「確かにそうですね (笑) 」


「他に不安な所はない？」


A 「ボタン押しちゃって、空色以外に光っちゃったらって思うと不安です…

お見立て会のダブケヤでも、何回も同じことしちゃって (笑) 」


「あっ、それは大丈夫！今回は空色しかないサイリウムなんだって。」


A 「え、そうなんだ…！」




立ち位置も細かく教えてあげて、他の不安な場所も一緒に確認してあげた。

そうしてると美穂とかすずが、先輩してる〜なんて茶化してくる。

でも嫌な気はしないかな (笑)

Aも美玖さんのおかげで分かるようになりました！って言ってくれて、美玖先輩は嬉しいです。

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