philosophical 4 ページ6
・
『26人の殺害は妄想か現実か』
そんなタイトルが付けられた
宍戸執筆、高瀬の罪の告白本は
書店で飛ぶように売れていた。
『私はジャーナリストとして、8年前に起きたある殺人事件を調べるうちに高瀬の存在に辿り着いた。
高瀬は10年前、母親を病気で亡くした。
その時期は、殺人の始まりと符合している。
父親は7年前に失踪。
AからZの26人に含まれる可能性がある。
両親の死後、高瀬は1人で不動産屋の仕事を続け、
担当する各物件が犯行現場となった。
2人きりの内見中に殺害し、
その後リフォームしてしまえば殺害の痕跡を完全に消す事が出来る。
また、被害者の自宅へと遺体を運び込み、
自 殺 や事故にみせかけたケースもあったようだ。
とはいえ、そのどれも証拠はなく、
3年半に渡って高瀬の観察を続けた私も
確証が持てないでいた。
そこで私は本人に接触し、
殺人に関するいくつかの告白を聞くことになった。
「AからZまで、
これをコンプリートしたいと思ってます」
その告白は 本人曰く“現実ではない妄想の話”。
「伝説になりたいと思っています」
本書は高瀬の告白を出来る限りそのまま掲載し、
妄想から現実か その真偽を読者の判断に委ねるものである。
真実を追い求めるジャーナリストとして、
私は事件の全貌が解明される事を切に願う。』
中堂はピースサインで映る高瀬の写真のページを
1枚破り、握りつぶした。
未来ある若い女性を26人も殺し、
高瀬は何故あんなにも平然としているのか。
Aは細い理性の糸をギリギリの状態で守っていた。
…あと少し外から力が加われば。
糸は容赦なく切られてしまうだろう。
矢「だから人間は、綺麗な花になれない」
Aはそう呟いて、
着信を告げた携帯を取ろうとした。
だが、それはいとも簡単に足元に落ちる。
ミ「Aちゃん、」
矢「あはっ、左手で取ろうとしてしまいました。
バカだなぁ…」
何か言いたそうなミコトを置いて、
Aは電話に出た。
京だった。
・
philosophical 5→←philosophical 3
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 336人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
理音(プロフ) - 続き気になります！更新楽しみにしています！ (8月21日 20時) (
レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 私も続きが気になります(＞＜)面白くて一気読みしました！くっつくの楽しみにしてます！！ (2018年9月12日 21時) (レス) id: ccca1c1412 (このIDを非表示/違反報告)
チコ(プロフ) - Yuriさん» ありがとうございます！はい、只今下書き中です！ただ、まだ時間がかかると思われます…すみませんm(_ _)m (2018年9月10日 6時) (レス) id: 28285d67bb (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいていました！主人公ちゃんが帰ってきた時の話を読みたいです！！ご検討いただけますか？ (2018年9月9日 21時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
チコ(プロフ) - いつさん» コメントありがとうございます！ありますよね、突然。分かります(笑) 1話1話がまぁまぁ長いので一気読みは大変だったと思いますが…嬉しいです、ありがとうございました！ (2018年9月9日 6時) (レス) id: 28285d67bb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：チコ | 作成日時：2018年9月6日 19時
