philosophical 11 ページ13
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その夜。
六郎は、荷物をまとめてUDIの玄関にいた。
そこへ、Aがやって来る。
矢「久部くん!」
六「…Aさん…すみません」
矢「ううん。もういい」
フワリと、いつものように笑われた。
矢「ねぇ、久部くん」
六「はい?」
矢「今度は、ちゃんと大学生として戻ってきな」
六「っ、はい!」
六郎の返事を聞いて、Aは1度だけ頷いた。
矢「じゃあね」
頼んだよ、UDIのこと。
心の中でそう呟いて、Aはオフィスに戻っていく。
六「Aさん」
六郎は、その華奢な背中に頭を下げた。
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ミ「橘さんが生きてるうちにホルマリンを投与されたっていうことを証明する為には?」
夕「全身に薬液が回っていたことが
証明にならなくもないけど、
死後でも大量に投与すれば同じ状態になる」
夕子は、更に元気がなくなった。
ミ「う〜ん…
じゃあ、その投与した総量を調べるには?」
夕「保存してあるサンプルだけじゃ分かんない。
要するに、ご遺体が必要」
ミ「でも ご遺体は…」
夕「遺族に返して火葬された」
ミ「何で焼いちゃうかな〜」
夕「はぁ…。
六郎の奴、最悪の裏切り。
辞めればいいって問題じゃない!
あいつのせいで…、はぁ…」
ミ「でも、久部くんが皆の役に立ちたかったっていうのは、本心だと思うよ?」
夕「本心なら もっとヤダ」
ミ「ん?」
夕「これでUDIがなくなったら、
六郎のこと恨んじゃいそうだもん」
ボツリヌス菌を鑑定書から消さなければ、
UDIはなくなる。
ミコトは窮地に立たされていた。
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理音(プロフ) - 続き気になります!更新楽しみにしています! (8月21日 20時) (レス) id: d2e2ccbd11 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 私も続きが気になります(><)面白くて一気読みしました!くっつくの楽しみにしてます!! (2018年9月12日 21時) (レス) id: ccca1c1412 (このIDを非表示/違反報告)
チコ(プロフ) - Yuriさん» ありがとうございます!はい、只今下書き中です!ただ、まだ時間がかかると思われます…すみませんm(_ _)m (2018年9月10日 6時) (レス) id: 28285d67bb (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいていました!主人公ちゃんが帰ってきた時の話を読みたいです!!ご検討いただけますか? (2018年9月9日 21時) (レス) id: d785c31dd6 (このIDを非表示/違反報告)
チコ(プロフ) - いつさん» コメントありがとうございます!ありますよね、突然。分かります(笑) 1話1話がまぁまぁ長いので一気読みは大変だったと思いますが…嬉しいです、ありがとうございました! (2018年9月9日 6時) (レス) id: 28285d67bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チコ | 作成日時:2018年9月6日 19時