依存症。【名前変換オリジナル】

現実編、2 ページ17

りるside

「松木文美(ｱﾔﾐ)さーん、ちょっと良いー？」
「どうかしたの？」

クラスの女の子に呼び止められて振り返る。
不自然なフルネーム呼び、つまり今から“制裁”だ。

全身に冷たい何かが触れた。･･･“今回は”水か。

「アンタさぁ、ほんといい加減にしろよ。」

いきなり吐かれた暴言。何回目だっけ、
こうやってやられるの。

「大人しいフリして人の彼氏寝取ってさぁ！
なんなの⁉︎ホント最低なんだけど！」
「そんな寝取ったつもりなんて･･･。」
「嘘つくんじゃないわよこのドロボウネコ‼︎」

頬を思いきり叩かれた。


うちは悪くないやろ。
ただの悪戯に本気になった男が悪い。

「さすがに松木が可哀想だろ！やめろよ！」

「レナやめてくれよ…俺が悪かったから･･･。」

クラスメイトの女子(負け犬)はうちを睨んでから男子達も睨みつけた。そして逃げていく。

うちの「怖かった･･･」と泣く演技に騙されてくれる、お馬鹿さん達。

その日の放課後。

「ごめんなさい、白川君。私のせいで」

「いや、文美ちゃんは悪くないよ･･･。」

上目遣いで見上げると、うわずった声をあげる白川。


「あ、あのさ！俺、文美ちゃんのこと･･･。」
「ん？なあに？」

わざと鈍感なふりをして次の言葉を待つ。
白川は決心した顔でうちの目を見た。･･･ふふっ。

「文美ちゃんのこと、好き！なん、だ･･･だから」
「ごめんなさい。」

私は顔を見せないように俯きながら震える声で謝った。

「私と白川君は釣り合わないから･･･ごめんね！」

泣いてるように見えたのかもしれない、
近づいてきた。･･･はあ、気持ち悪りぃなあ。


「全然そんなことないよ、･･･え？」

顔を覗き込んできた白川はうちの表情を見て凍りつく。

「文美ちゃ、どうして･･･」

「あーっ面白いわぁほんま。
うちがアンタに釣り合わんじゃないわ。
“アンタが”うちに釣り合ってないんよ。」

恐怖を感じたような顔をする白川。
後退りしていく姿はすごく情けなくて滑稽だった。

「あ、逃げる気やんな？」

うちからずずっと近づき、“ソレ”を取り出した。

愛用のカッターや。

「これ、見えるやろ？もしバラしたら、これでお仕置きやねんな。」


うちの周りはぜーんぶおもちゃや。
誰でも掌の上で踊ってくれる。

＊＊＊
りるクズで草。

ちなみにりるにとってはネッ友も自分の駒です。

またいつかりる編はあるとおもわれまする。

では、またね！

現実編、3→←現実編、１

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