秘密主義な侍

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「オイぃぃぃ！！何やってんだ、このままじゃ勝負つかねーよ！！」

「バカなの？あんたらバカなの？」

吐き終えた二人はヨロヨロと立ち上がった。

「心配すんじゃねーよ、俺ァまだまだやれる。

シロクロはっきりつけよーじゃねーか。」

ヒック、としゃっくりを零す坂田。呆れしかない。

「心配なのはお前の頭だバカヤロー。しっかりしやがれクソ天パ。」

「あ？天パ舐めてんじゃねーよ綿菓子みたいでいいだろうが。しかもA、お前も若干天パだろうが。

このまま普通にやってもつまらねー、ここはどーだ

真剣で斬って"かわしてジャンケンポン"にしねーか？！」

青ざめた顔の副長サンは酔ったまま喧嘩を買う。

「上等だコラ。」

こいつらホントに大丈夫かよ？

花見客に迷惑とかかけねーよな？？

二人は真剣を手に、フラフラと向きあった。

「お前さっきから上等だコラしか言ってねーぞ。

俺が言うのも何だけど大丈夫か？！」

「上等だコラ。」

「上等じゃねーよバカ共が。」

お前らやめとけそのへんにしとけって。

その状態で真剣振り回してたら確実に吐くって。

止める私の言葉も聞かず、二人は刀を持ってジャンケンを始めた。


「「斬ってかわして、ジャンケンポン！！」」


パーとチョキ。

勝ったのは坂田の方である。


「取ったァァァ！！」

坂田が斬りかかるも、酔っている彼には正常な判断ができるわけもなく。

「心配するな、峰打ちだ。

まァこれに懲りたら俺に絡むのは止めるこったな。」

近くにある木を峰打ちし、副長サンだと錯覚を起こしている。

何あれ、すげー恥ずかしい。

副長サンはというと、

白い犬と「てめェさっきからグーしか出してねーじゃねーかナメてんのか！！」と、永遠にジャンケンを続けている。

何あれ、すげー恥ずかしい(2回目)。

呆れた顔をした山崎クンはメガネ君に「お互い妙な上司がいて大変ですね。」と言う。

「一緒に飲みましょーか。愚痴を肴にして。」

「メガネ君、ここにオレンジジュースがあるよ、私らだけで楽しもうか。」

私達はロクデナシ共に背を向けた。

「あー、やっと酒飲めるわー」








お花見終了後。

あの酔っぱらい共を公共の場に放置する訳にもいかず、私は後片付けしたあとに探し回っていた。

あっ、見つけた、バカ共。

「…なんでそーなるの。」

自販機に顔を突っ込む坂田、そして屋根に乗っかった副長サン。

二人とも酔い潰れている。







実はお前ら仲いいだろ。

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