作者達が迷い込む町 6【小説】 (ページ17)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:10,345 hit

余りに非常識だ【ドルバロム】ページ17

「････････ふむ。」
いつ靴を履いたのか分からない。
いつパジャマから着替えたのか分からない。
いつサングラスを掛けたのか分からない。
そして何より、

「何故森に居るんだ俺？」

クヌギ、白樺など日本に自生している樹木が
生えているから日本で間違いは無いと思う。

誘拐か？いやそれは無い。俺が森で一人で居る
この状況をそれだと説明が付かない。
口減らしする程家の財政は困窮してないしな。
ウム、分からん。情報が無さ過ぎる。

「最近迷い込む人が多いのぅ。」

「何っ！？」

このばあさん木の後ろからぬっと出てきたな。

「まともに驚いた人は久しぶりだねぇ。」

「待ってください。久しぶりということは、
　他にもこの訳の分からない状況に陥った人が
　居るということですね？貴方は一体？」

「その"状況"を説明するのが仕事なんじゃ。」

情報の無さに困っている時に情報をくれる人に
会えるとは日頃の行いの良さのお陰かな(絶違

「此処は怪夜町。小説を書いていた者達が集う
　町。此処に来た者達は皆能力を持っている。
　人で無くなる者も居る。お主は違うがの。」

「物書きが集う町ということは芥川とか
　コナン・ドイルとかが居るのでしょう？
　私は場違いだと思うんですが。」

「いや、サイトで小説を書いていた者達が
　対象じゃ。身に覚えがあるじゃろ？」

ああそうだな、大分前の話だけどな！
何だそのふざけた人選は！
何をさせたいのかサッパリ分からん！

「まぁまずは館に行くのがよいじゃろ。ほれ、
　地図じゃ。此処が館でここが現在地じゃ。」

いやあのおばあさん俺の言いたいのはって、
遠くないか館？凄い距離歩くぞこれ。

「お主の能力は兵器と銃器を操る能力じゃ。
　詳しくはこれを読めい。」

そう言っておばあさんは紙を差し出す。
能力なんてそんな非常識な。
しかしここから動かないという選択肢は無い。
まずは館とやらに行くのを第一目標にするか。
ん？あれ、これ･････ウーーン？

「あの、おばあさん？この紙なんですが、
　達筆すぎて全然読めないんですが、って
　あれ！？おばあさんが居ない！？
　え、ちょっと、おばあさーーーん！？」

後に普通の字の物と変えてもらったのは
言うまでもない。

　