検索窓
今日:6 hit、昨日:2 hit、合計:10,347 hit

命知らずの愚か者 by茶碗むす ページ14

「ええぇぇええええ!? どこですかここは!?」

とにかく叫ぶ。隕石やら何やら落ちてきたので、走り回って逃げていたらこのザマだ。運を上げるため飴玉をめいいっぱい噛み砕きながら辺りを見回す。

少し離れたところで幾人かが争っているのが見えた。……争うというか、虐待だが。

「というか、何で巻き込まれるのですか!? 上げに上げた幸運はどこへ!?」

(あれ、説明してませんでした? ダイスで『7』が出たら不幸MAXになりますよ?)

説明されていない!なんだ? 後出しジャンケンか?

「……しかし、嘆いてもいられませんね」

視線の先には一方的な戦いが繰り広げられている。ああいうのを見ると我慢ならない。助けるとか悪だとかそういうのではなく、行かなければならない気がするのだ。『人』としての矜恃を守るために。

「はいはい! ちょっと失礼致しますよ! 一体全体何事ですか! 特に貴方! 状況から見て貴方がこの世界の持ち主でしょう?」

瓦礫の上に立つ一人の少女に話しかける。イタズラっぽい笑みは、子供そのものだ。しかし、『人間』では無いことはわかる。

「その様子だと神か何かの血が混ざっているようですが、やりすぎは禁物ですよ!」

指を指しつつつ叱りつけるように話す。悪意がないのは表情からわかる。敵意がないのも気配からわかる。だからこそ止めなくてはならない。

「いいですか、人は神とは違い、命があります。例え短くとも美しい命があります。それを踏みにじるのはおやめなさい!」

どこからかドラゴンの鳴き声が聞こえる。神への冒涜への怒りを表現しているのだろうか?

「奪う気がなくとも、嬲る気がなくとも、せめて加減を身につけなさい! 加減を!」

叱りつける。何の遠慮もなく叱り続ける。

「変わりゆくものを無理やり止めるのは許しませんよ! 変わりゆくからこそ美しいものが、確かにここにはあるのですから!」

随分とキザなことを言った気もするが、この際どうでもいい。しかし我ながら大層なことをしたものだ。神に歯向かうような命知らずなことをするとは。わたしゃニーチェかってんだ。

「神でもなんでも結構ですとも! 私には全てが愛おしい! 神が愛おしい!人間も愛おしい! 人外も愛おしい!動物も、植物も愛おしいのです!」


──だからこそ、私は全てを守りたい──


そう言って、倒れていた三人と神のような少女の間に立つ。

「言いたいことは全て言いました! さぁ、煮るなり焼くなりお好きにどうぞ!」

仏の顔も三度まで 安部川餠→←やっぱり理解できない メアリ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 5.2/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
15人がお気に入り
設定タグ:作者が迷い込む町 , 募集企画 , オリジナル , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

北斗(プロフ) - 7の方のursです!一話の方行進しました!【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/naitomea12/】 (2019年10月5日 16時) (レス) id: aafc5aee29 (このIDを非表示/違反報告)
ドルバロム(プロフ) - 北斗さん» ありがとうございます。 (2019年10月5日 16時) (レス) id: a1570f4cef (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 北斗さん» 了解しました!! (2019年10月5日 16時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
ドルバロム(プロフ) - 更新終わりました。 (2019年10月5日 16時) (レス) id: a1570f4cef (このIDを非表示/違反報告)
北斗(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» こっちの編集が終わったらURSはるから来てね〜 (2019年10月5日 16時) (レス) id: aafc5aee29 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:グランディ x他14人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年9月19日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。