命知らずの愚か者 by茶碗むす ページ14
「ええぇぇええええ!? どこですかここは!?」
とにかく叫ぶ。隕石やら何やら落ちてきたので、走り回って逃げていたらこのザマだ。運を上げるため飴玉をめいいっぱい噛み砕きながら辺りを見回す。
少し離れたところで幾人かが争っているのが見えた。……争うというか、虐待だが。
「というか、何で巻き込まれるのですか!? 上げに上げた幸運はどこへ!?」
(あれ、説明してませんでした? ダイスで『7』が出たら不幸MAXになりますよ?)
説明されていない!なんだ? 後出しジャンケンか?
「……しかし、嘆いてもいられませんね」
視線の先には一方的な戦いが繰り広げられている。ああいうのを見ると我慢ならない。助けるとか悪だとかそういうのではなく、行かなければならない気がするのだ。『人』としての矜恃を守るために。
「はいはい! ちょっと失礼致しますよ! 一体全体何事ですか! 特に貴方! 状況から見て貴方がこの世界の持ち主でしょう?」
瓦礫の上に立つ一人の少女に話しかける。イタズラっぽい笑みは、子供そのものだ。しかし、『人間』では無いことはわかる。
「その様子だと神か何かの血が混ざっているようですが、やりすぎは禁物ですよ!」
指を指しつつつ叱りつけるように話す。悪意がないのは表情からわかる。敵意がないのも気配からわかる。だからこそ止めなくてはならない。
「いいですか、人は神とは違い、命があります。例え短くとも美しい命があります。それを踏みにじるのはおやめなさい!」
どこからかドラゴンの鳴き声が聞こえる。神への冒涜への怒りを表現しているのだろうか?
「奪う気がなくとも、嬲る気がなくとも、せめて加減を身につけなさい! 加減を!」
叱りつける。何の遠慮もなく叱り続ける。
「変わりゆくものを無理やり止めるのは許しませんよ! 変わりゆくからこそ美しいものが、確かにここにはあるのですから!」
随分とキザなことを言った気もするが、この際どうでもいい。しかし我ながら大層なことをしたものだ。神に歯向かうような命知らずなことをするとは。わたしゃニーチェかってんだ。
「神でもなんでも結構ですとも! 私には全てが愛おしい! 神が愛おしい!人間も愛おしい! 人外も愛おしい!動物も、植物も愛おしいのです!」
──だからこそ、私は全てを守りたい──
そう言って、倒れていた三人と神のような少女の間に立つ。
「言いたいことは全て言いました! さぁ、煮るなり焼くなりお好きにどうぞ!」
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北斗(プロフ) - 7の方のursです!一話の方行進しました!【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/naitomea12/】 (2019年10月5日 16時) (レス) id: aafc5aee29 (このIDを非表示/違反報告)
ドルバロム(プロフ) - 北斗さん» ありがとうございます。 (2019年10月5日 16時) (レス) id: a1570f4cef (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 北斗さん» 了解しました!! (2019年10月5日 16時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
ドルバロム(プロフ) - 更新終わりました。 (2019年10月5日 16時) (レス) id: a1570f4cef (このIDを非表示/違反報告)
北斗(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» こっちの編集が終わったらURSはるから来てね〜 (2019年10月5日 16時) (レス) id: aafc5aee29 (このIDを非表示/違反報告)
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