【はたけカカシ】 何があっても （後編） ページ9
「ま、そろそろ行っても良い…かな。」
カカシの考え。 それは、火影になる事だった。
Aの隣に居るのにふさわしいのはどんな人物か。
それを考えた時、ふと浮かんだのは火影だった。
民間人ながらにきちんと受け継がれている火の意志。
その想いの強さに応え、支え、守るにはやはり火影が一番適していると思ったのだ。
「…よし。 さっさと仕事片づけて会いに行きますか。」
-
「それで？ どうだったのよ、昨日のお見合い！」
『そうですね…とても素敵な方でしたよ。』
「って事は…その人と結婚するんだね！！」
『ち、違いますよ！！ 確かに素敵な方でしたけど…その…。』
「なーんだ、Aちゃん結婚しちゃうのかー。」
『っ？！ か、カカシさっ…火影様？！』
久々に見かける顔にAは驚いた。
それと同時に、ふんわりと暖かな気持ちになった。
「これはこれは火影様！ そうなんですよ！ 火影様も祝ってやって下さいな！！」
『だ、だから違っ…！！』
「申し訳ないですが、それは出来ない相談ですね。」
「えっ？」
思わず固まる女性とA。
カカシはというと、相変わらずニコニコと笑顔のままだった。
「Aちゃん、ちょっと良いかな？」
『あ、はっはい…！』
-
カカシがAを連れてきたのは、以前話し合いをした場所だった。
そして、大きな桜の木の下で二人は立ち止まった。
「結婚、するの？」
『まさか！ あれはその…勘違いで…！』
「でも、素敵な人だったんだろ？ その相手。」
『それはそうですけど…でもっ！』
誤解を解かなければ。
しかし、カカシの顔を見ると…今にも笑い出しそうな顔をしていた。
『な、何がおかしいんですか…！』
「ふふ、ごめーんね。 ちょっとからかいたくなっちゃって。」
『火影様…。』
「ちょっと、前みたいに名前で呼んでくれないの？」
『それは…。』
「ま、そうだよね。 他人だもんね、俺達。」
『っ…。』
「なら…他人じゃなくなれば良い。」
『え…？』
グッと引き寄せられ、そのままカカシの腕の中に閉じ込められる。
『あっ、か、カカシさん？！』
「…君の側にいさせて欲しい。」
『そ…それって…。』
「何があっても君を守る、なんて約束は出来ない。
でも、何があっても君を愛し続けるよ。
だから…結婚するなら、俺を選んでくれないかな？」
『…ずっと、待ってたんですからね。
これからその分、きっちり返して下さいね！』
「あぁ、喜んで。」
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作者名：青井リボン | 作成日時：2017年3月19日 2時
